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パンターム

『流れ着くものの街』パンターム

アーベ公国南部の都市。北にはデルタ、ケルルの森ムィムィの岩場、東にはサウス湿原、南下すれば隣国リューンスが臨めます。シェルウィンド湖を源流とするサウスファニュール(サウス大河)の河口にあります。
アーベ公国南部は人の住みにくい地形が多く、手つかずの自然が大半ですがその中でも大都市といえる規模を持つ稀有な街です。サウス砦へ物資を輸送するための中継港として機能しており、また周辺の自然や亡国『シェルル』の遺跡から得られる富によって繁栄しています。

最大の特徴は街の構造です。この街は、湿原と暗礁に囲まれた地盤の悪い土地の上にあるのですが、無数の廃線を土台とすることで広い安定した土地を確保しているのです。そのため、あちこちにのマストが林立しています。また、その地下はかつての室です。そのため、この街の地下の全容を知る者はいません。

これらのはかつてサウス砦周辺で起こった、ドラグ・ウォーロード率いるガルクランとの大戦で傷つき沈みかけた軍や輸送です。大戦の際、舵や帆を失い川に流されたが河口付近に漂着し、そこを商人や旅人が休憩所として利用しはじめたことからこの街が始まりました。街ができてからもサウス大河でギルマンマーシュマンに襲われて壊れたなどがこの街に捨てられるなどして街の範囲は更に広がりつつあります。

歴史 Edit

水の民の国「シェルル」 Edit

「シェルル」は<人>の時代にアーベ公国の南部〜シェルウィンド湖に存在したといわれる国で、水を操る魔法・技術に長けた人々が住んでいたといわれます。一説ではシェルルとはケルルの森ケルルの語源となったともいわれます。彼らの治水技術は現在のレングラートの技術とはくらべものにならないほどのものであり、彼らの遺した遺跡は水門や橋、上下水道、ダム、地下港、水中都市、巨大といった水に関するものが非常に多いです。

そこで、水害や治水の必要性に常にさらされているレングラートの研究者は彼らの技術に強く興味を抱いており、冒険者に寄せる発掘や調査の依頼は後を絶ちません。ただし現在は<竜>の侵攻によってその文明は失われ、年の重みに晒された結果その痕跡の多くはサウス湿原シェルウィンド湖の底に眠ることとなっています。また、パクタック種はシェルルが滅んだのちに生まれたとされますが、シェルルの技術の中には水を清めるものもあり、パクタックの賢者たちの間でもシェルルの技術は興味を抱かれています。

そのため、パンターム冒険者宿はシェルルの遺跡を目当てにやってくる冒険者や研究者で常に賑わっています。

大戦争が生み出した街 Edit

この街は、かつてドラグ・ウォーロードがアーベ公国を襲った際に、シェルウィンド湖やサウスファニュール川で被害を受けて流された無数の廃から作られました。勿論それ以前にも街はあったのですが、デルタとサウス湿原が広がるこの土地で安定した乾いた大地は少なく、街の規模も制約があったのです。
それ以来、寿命が来たパンタームに集められ、土台にされ、街はその上に発展し続けています。

刻印戦争 Edit

近年発生した深淵との大戦争「刻印戦争」において、パンタームは敵将『潮目』の攻撃の対象となり、壊滅的な被害を受けました。敵将『潮目』は強力なメタモルスで、伝説的な海の化け物に変身し、その無数の触手でこのの街を中心から粉砕。また、それに呼応したサハギンギルマンの大群にも外から襲われました。

敵将『潮目』および深淵軍はサウス騎士団冒険者たちの活躍により撃退されましたが、『潮目』の死体は毒となり、この地を汚染しています。除去作業は続けられていますが、この街の地下の全容はほとんど知られておらず、作業は難航しています。また、その毒だまりから変異したモンスターが沸くこともあり、この街の社会問題となっています。

なお、「刻印戦争」で、この街の裏社会を支配していた川賊ギルドも壊滅。ギルドマスターはメタモルスに乗っ取られて死んだとも、ひそかに生き延びているとも言われていますが、消息は不明です。その後釜を狙う者たちが何グループかに分かれてこの街を裏から支配しようと夢見ているようです。

街の名所 Edit

パンターム外港-浅瀬 Edit

パンターム周辺の海は遠浅のため、大型は岸からやや離れた小島に造られた外港に停泊します。そのため、外港とパンターム市内の間の浅瀬地帯はレッサーヒッポを利用して人や物品を運搬しています。また干潮時には浅瀬は完全に陸地となるため、海底に築かれた道を直接馬車が行き来することもできます。

面倒な構造ですが、この浅瀬地帯に護られているおかげでパンタームの町は海賊による襲撃がほとんどありません。ただし週に一度の干潮時は海賊が狙ってくる時もあるため、その間は港周りの警備が強化されます。

また外港から離れた浅瀬地帯はレッサーヒッポが放牧されており、養殖が盛んに行われています。元々レッサーヒッポの飼育技術は隣国リューンスの獣使いからもたらされたものですが、栄養分に富んだサウス大河河口の汽水域は餌である魚や海藻が豊富であり、レッサーヒッポを育てるのにとても都合がいいのです。
レッサーヒッポの養殖はパンタームを代表する産業であり、ここで育てられたレッサーヒッポサウス砦ルアーブルなどにも輸出されます。

幸いにも、外港部分は「刻印戦争」でもギルマン軍に襲われた程度で、そこまで被害がなかった個所となります。

ミステールの大神殿 Edit

ミステールとはクオ=ルート神官戦士で、ガルクランの大軍勢がサウス砦を襲った際、ドラグ・ウォーロードと決闘し、相討ちながらも打ち取った女性です。
その戦いの最中、主をなくしたそのは他のと同様にパンタームに流れ着きました。しかし激しい戦いにも関わらずこのは穴ひとつ空かず無傷だったため、英雄の一人として数えられるようになったミステールの威名とともにこのにはクオ=ルートの加護があるとして各地に話が広まり、以降このは「海に浮かばないが神官が常にいる唯一のクオ=ルート神殿」としてこの町の名所になっています。

このの主であるミステールは亡くなっていますが、各地のクオ=ルート神官が訪れる場所であるため、実質的にいつでも神官が存在する場所として重宝されています。ここにやってきたクオ=ルート神官は自分のの帆を洗った後、大神殿に掲げて干し、クオ=ルートの加護をもらうという習わしがあり、その帆が乾くまで神官がとどまるのです。

なお、神官だけでなく、他の主たちも、その加護を求めて自分のの帆を洗って干すことができます。ただ、神殿にはそのスペースを譲るというのが暗黙の了解となっています。このためこの場所はクオ=ルート神官信者たちの出入りが多く、彼らが集まって各地の海の情報を交換する場所としても利用されています。

なお、刻印戦争でも、この大神殿は全く被害を受けず無事で、そのため、このの威名はますます高まっています。

組織 Edit

川賊ギルド(壊滅) Edit

パンタームにはシーフギルド「川賊ギルド」があり、ルアーブルトリュアートキャスパールに次いでアーベ公国でも番目の規模をほこっています。ただし大きさはトリュアート(キャスパール)を10とするとパンタームギルドは3〜4といったぐらいですが。

このギルドパンタームおよびサウスファニュール川の様々な利権に裏からアクセスしており、ギルマンマーシュマンと商が争っている間に漁夫の利を得ようとしたり、狙った商を目立たない暗礁におびき寄せて座礁させたりなど知恵をきかせたものが多く、ギルドの場所も週ごとに位置を変えたりなど慎重に動いています。
また、サウス湿原で多く採取できる毒物を巧みに利用することでも知られ、暗殺用、戦闘用は勿論、襲撃に眠り草の煙幕を使ったり、捕えた相手を拷問・脅迫するときにも毒物を使います。

ただ、犯行手法自体は悪質ですが、彼らは表社会を極端に混乱に陥れることを嫌います。特に、サウス騎士団の活動に悪影響を与えることはしない律義さがあります。パンタームの治安を悪化させすぎるとサウス砦の補給や戦力にも影響が出てしまい、やりすぎれば深淵勢力の侵攻を招いてしまうという危惧をギルド長がもっているからだと言われています。

なお、パンターム川賊ギルドの構成員はルアーブルの陸・海ギルドの元構成員が多く、両ギルドとの確執が根強くあります。支配領域が離れているため表だってルアーブルの両ギルドと争うことはありませんが、万が一キャラクターがルアーブルの両ギルドの構成員とばれた場合は川賊ギルドに因縁をふっかけられる危険性はあります。
そのため、ルアーブルの陸・海ギルドとかかわりを持つPCはパンターム川賊ギルドでの情報収集は難しいですが、陸・海ギルドは川賊ギルドの動向を監視するため密偵をこの町に派遣しています。両ギルドの正規メンバーならば密偵とつなぎをとって彼らから情報を得ることが可能となります。

刻印戦争の影響

刻印戦争の影響でパンタームは壊滅的な被害を受けましたが、同様に、川賊ギルドも壊滅しました。噂ではギルドマスターの『泥濘の』トランザや主だった幹部はメタモルスに乗っ取られ、それ以外の構成員は、メタモルスが呼び出した伝説の海の化け物のえさになって死に絶えた、と言われています。(※なお、おおむね事実です)

もっとも、だからと言って裏社会が浄化されたわけではありません。この機会にパンタームの裏社会を手に入れようと何グループかが動いており、しのぎを削っています。

周辺環境 Edit

サウス湿原 Edit

パンタームから東部にかけて広がる湿原です。
詳しくはサウス湿原の項を参照

デルタ Edit

サウス大河の河口付近、パンタームとはほぼ隣接する中州地帯です。
この地域はその水に恵まれた土地ゆえにパクタックの集落が無数に存在しています。ゆえに水田も多く広がっています。
同時にサハギンギルマンの住処も多く、常にパクタックサハギンギルマンとの諍いが存在する危険区域です。
パクタックたちは人間たちと協力関係にあり、深淵との共同戦線だけでなくパクタックの米を人間が買い取り人の生み出したものをパクタックが買い取る商売上の関係もあります。
またサウス砦へ向かうを付近の流域に詳しいパクタックが案内することも多いです。

カレントターミナル Edit

ケルルの森の南端、サウスファニュールの河口、パンタームとはデルタを挟んだ対岸に位置する流域の通称です。
こちらもパンタームと同じく、サウス砦での大戦で破損したやそのほかの漂着物が流れ着く土地なのですが、ケルルの森の獣と繁茂する木々を嫌ってかこの場所には人は集まらず土地の整備がなされませんでした。
結果、多くの川賊やケルルの森の獣、洪水などで上流から流されてきたケルセットの密林のモンスターなどが住み着く危険地帯となっています。
特に川賊はここを根城にしてデルタやサウス大河流域の商を襲うことが多く、地元のパクタックたちは頭を悩ませています。
それとは別にケルルの森に隠れ住む海賊たちとここの川賊たちが諍いを起こすこともあるそうです。
パンターム川賊ギルドの支部もどこかにあるそうですがここの川賊全てが川賊ギルドの支配下にあるわけではありません。そのため中には「やりすぎる」川賊もいるそうです。

人物 Edit

『泥濘の』トランザ(消息不明)  Edit

かつてはトリュアートの幹部だった男で、トリュアートから離反しパンタームに川賊ギルドを作りました。離反の原因は明らかではありませんが、トリュアートギルド長『赤銅の』ペリューカともめたそうです。このためトリュアートからその首に高額の懸賞金がかけられています。
ですが、高位のソーサラーでもある彼は、常にシェイプチェンジで他人になりすましており、演技も一級品であるためその尻尾を掴むことができずにいます。また、彼と連絡がつくのは少数の信頼できる側近だけとされます。

時と場合によって非情な決断をすることもあれば敵に温情を与えることもあり、かなり気まぐれな判断に見えますが、最終的には彼の利益に結び付ける才能に長けています。しかし、先見の明に富むとも、余興や諧謔を好むとも、何も考えていないともいわれます。
二つ名の『泥濘』は何を考えているか見通すことができないが、大抵はろくでもないこと、という彼の特徴からトリュアートがつけた蔑称ですが、当人は気に入っているようです。

なお、「刻印戦争」でメタモルスに乗っ取られたとも、死んだとも、辛くも逃れて身を隠したともいわれています。いずれにしても、刻印戦争後のパンタームで、彼が再び活動を始めたという話は聞かれません。(なお、生きています)

『空磯の海鳥亭』ホワイテクス Edit

「年齢というのは、経験の皺の数で決まるもんだからな」

グレイテクスの父親で、40すぎまで現役冒険者だった凄腕です。リスク管理も抜群で、受けた仕事は必ず妻に知らせたりして、なにかあった時のバックアップも用意するくらい、安定感のある仕事をしていました。しかし、馴染みの冒険者の宿の親父がメタモルスによって乗っ取られたのまでは見抜けず、窮地に陥ります。
しかし、日頃の用心深さのおかげで、グレイテクスたち冒険者に助けられました。そうして最後の仕事となった冒険後、パンタームにある冒険者の宿『空磯の海鳥亭』の主人となり、今は仕事を回す側に立っています。

セッションソース Edit

レッサーヒッポ捜索』ランクC
放牧していたレッサーヒッポの子供がギルマンに奪われた。デルタ流域を捜索し、レッサーヒッポが彼らのランチになる前に救出してほしい。
『シェルルの水門の探索』ランクB〜C
サウス湿原でシェルルの民の遺跡と思われる水門跡が発見された。現地の学者を護衛しつつここを探索し調査の助けにせよ。
サウス砦までの商の護衛』ランクC
兵站を運ぶ商人を護衛し無事にサウス砦まで送り届けよ。ただし大河流域にはギルマンや川賊たちの動きが活発になっている。くれぐれも注意せよ。

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