ホーム > フリアディーチェ

フリアディーチェ

憎悪と復讐の神『フリアディーチェ』
エンファータの歴史の中で数えきれないほどの星霜と深淵の争いが起こりました。
それらは双方に数限りない悲劇が起こり、無数の死者を出すだけでなく、生き残った者たちに深い嘆きと憎悪を残していきました。
それに伴い、親族や一族に対する復讐とも呼べる事件もまた無数に起こりました。
　
フリアディーチェとはレイヴンの剣士の名前だと伝わっています。
彼女はアルケナル帝国の全盛時代に帝国によって虐殺された一族の復讐のために、呪詛を用いて一本の美しくもおぞましい剣を鍛えました。
この剣は呪詛のために＜竜＞の血で鍛えられたともいわれています。
それは持ち主の憎悪や復讐心を吸収して力を高める剣であり、彼女はこれを用いて一族を根絶やしにした帝国の騎士を殺害します。しかしその直後に帝国の軍勢に包囲され最期を遂げました。
最初の持ち主を失った剣はほどなくして殺害された騎士の息子にわたります。彼は成長して父と同じく騎士になり、父を殺したレイヴンに対してやはり親と同様の殺戮を繰り広げたといいます。
そう、この剣は持ち主の憎悪を吸収して力を高めるだけでなく、一つの復讐からさらなる復讐を生み出してそのたびに新たな憎悪を得て力を得るという性質も持ち合わせていたのです。
そのことに気づいたとある賢者がこの剣を砕きましたが、その破片はいつの間にか何者かによって持ち去られ、新たに幾つもの武具や装飾品に鍛え直され未だにその力は健在だといわれています。

星霜、深淵、善人、悪人を問わず数多くの復讐者たちの憎悪を食らった剣はいつしか神に匹敵する力と意志を持つようになり、ヴェルラグ・フリアディーチェが生まれました。
この神は復讐心を抱く者に対してその成就を呼びかけ、力を与える神です。
その神体はフリアディーチェのオリジナルの破片が溶かし込まれた武具・装飾品であり、復讐心を抱く者が手にするとその成就を呼びかけ、力を与えるのです。
また自らの復讐の成就だけでなく、他者の復讐の助力も唆します。
強い復讐心を抱く者なら星霜、深淵、狭間と種族に関係なく彼女の声が聞こえてその力を借りることができるというのも特徴です。
かの神に魅入られた者が行う復讐とは目には目を、ではなく目には命を、ともいうべきほど苛烈なものであり、相手とその周囲への徹底的な殺戮と弾圧を特徴とします。
しかしそれ故にフリアディーチェによる復讐は生き残りによるさらなる復讐を引き起こすことが多く、復讐の連鎖が起き、それこそがこの神の真の目的だとも言われています。
これらの特徴のため一般的には邪神として忌み嫌われていますが、復讐を目的とする者にとっては心強い神であり、フリアディーチェの神体は今なお世の中の闇で流通し、暗躍しているのです。

GM用情報 †

• 知名度は１４で、セージの知識判定の他、プリースト技能でも判定可能です。

特殊暗黒魔法 †

ブラッディオース †

概要

呪いの儀式を行い、復讐を願う者に力を与える。

呪文レベル

1レベル

基本消費MP

5

距離

接触

効果範囲

個人

持続時間

一週間

種別

呪い、儀式

拡大

達成値、効果時間

抵抗

効果消滅

呪文詳細

復讐を志しているにもかかわらず、それを達成するための力がない者に邪神フリアディーチェが力を貸す呪術です。
具体的には対象のファイターレベルとプリースト／ダークプリースト技能を効果時間中は＋２させます。ただしいずれもそれぞれの技能レベルの累計は最大７レベルまでです。
既に十分な力を持っている対象ほど力への渇望が薄まるからです。
フリアディーチェに血の誓約を交わす儀式を行うことで魔法は行使されます。儀式に要する時間はおよそ3時間です。
複雑な過程を要する儀式ではないためフリアディーチェの声を聞ける者なら誰でも行使できますが、儀式の代償は対象となった者の命であり、効果時間が切れると同時に対象は死亡し即座に死体は灰となります。
術者以外の他者にも使えますが、己の命に代えても復讐を達成したいと願う者以外には効果はありません。
効果時間中にリムーブカースなどで魔法を解除するか、この術をかけた術者が死ねばブラッディオースの効果は消えますが、術のかけられた時間から現在までの時間に応じてフリアディーチェに対し代償となる生命力が支払われます。
例えば術をかけられてから3日と12時間後にこの魔法を解除した場合、対象は最大ＨＰの半分を消失します。

ヘイトインパルス †

概要

対象の心を憎悪に染める。

呪文レベル

4レベル

基本消費MP

20

距離

10m

効果範囲

個人

持続時間

18ラウンド

種別

精神

拡大

達成値、距離、目標数、確実化、持続時間

抵抗

効果消滅

呪文詳細

目標に衝動的に憎悪の感情を植え付ける。憎悪の対象となるものは術者の任意であり、この魔法の効果時間中には対象は手加減や指定された対象以外への攻撃ができなくなる。
ただし敵意自体を植え付けるわけではないためこの魔法だけで戦闘を即座に始めさせることはできない。(憎悪の感情を植え付けるだけで、攻撃することへの我慢ができなくなるわけではない)
効果時間が無くなる以外に、憎悪の対象に指定された者が死亡することによってもこの魔法の効果は解除されます。言い換えればとどめを刺すまで他の対象に攻撃できなくなるともいえます。

ヴェンジャンス †

概要

自分の受けた傷と同じ傷を対象に与える。

呪文レベル

5レベル

基本消費MP

25

距離

接触

効果範囲

個人

持続時間

一瞬

種別

呪い

拡大

達成値、確実化

抵抗

効果消滅

呪文詳細

抵抗できなかった者に、術者が受けている傷と同じだけのダメージ(最大ＨＰと現在のＨＰの差分)を与える。ダメージは冒険者レベル、プロテクション、パワーシールドなどで軽減可能。

リネージカース †

概要

カースの強化版。呪いの対象が対象の子孫にも及ぶようになる。

呪文レベル

7レベル

基本消費MP

35

距離

接触

効果範囲

個人とその子孫

持続時間

永続

種別

呪い

拡大

達成値

抵抗

効果消滅

呪文詳細

呪文そのものの効果は暗黒魔法カースと同様です。カースの説明(完全版Ｐ１５６)を参照。
この呪文はカースの対象を対象となった者の子孫にまで及ばせます。憎悪の神ならではの非常に強力な呪いと言えます。呪いの効果は、その解除条件に対象となった者とその子孫は個別に解除されるものか、一度に一族全員の呪いが解除されるものか決めておく必要があります。

関連カテゴリ †

• 神々と宗教
  • ヴェルラグ