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SandBox/争いの地

概要 †

争いの地とは、柱の塔――「歪みの塔」とも呼ばれる神話時代の遺跡を中心とした一地域の通称です。
柱の塔からもたらされる魔力により特殊な資源を多く秘め、神話時代の数少ない遺跡のひとつである塔そのものの価値も含めて、ル＝ガル貴族共和国とオルトレルム連合王国が地域をふたつに割って星霜対星霜の戦いを繰り広げています。

歴史 †

争いの地が星霜に発見されたのは、アルケナル帝国時代の中～末期です。
その頃、人々は星霜の快進撃に浮かれ、豊かではありましたが、また同時に星霜の間でも小競り合いが起こるようになっていました。より多くの利益を、そこから得られるであろう勝ち星を目当てに、星霜と星霜の間でパイの取り合いをすることがままあったのです。
我先にと、島々や大陸の開拓が進み、その中で探索者たちは、ひとつの崩壊した巨大な塔を中心とした特異な地域を発見したのです。それこそが後に争いの地と呼ばれるようになる場所でした。
崩壊した巨大な塔は、神話時代に何かしらの目的を持って建設されたもので、その名を「柱の塔」と言いました。塔は〈人〉の強大な魔法の力を駆使して構築されたもので、それが恐らくは大失墜の際に崩壊した結果、溢れて氾濫を起こした魔力を周囲に垂れ流すことになったのです。
その影響は計り知れないものでした。南部の山脈では宝石を含む鉱脈が魔晶石の塊に変質し、北部の森ではその一部が樹木を含めて丸ごと魔力の結晶体と化し、東西の平野部では豊穣が過ぎて突然変異を起こす草木が続出するなど。当然ながら生態系にも大きな変化を及ぼしました。
危険ではありましたが、その変化は非常に有益なものでもありました。探索者たちはすぐさま本国に応援を呼び、都市を作り、砦を作り、採掘所を立て、瞬く間にその地における基盤を整えていきました。
問題は――そう、探索者たちは、一勢力だけではなかったことです。
気付いた時には、塔を挟む形で幾つもの星霜の勢力が、争いの地をパイのように取り分けようとしていました。
この地をどう配分するかで会談の場が設けられましたが、それは致命的な決裂に終わってしまいました。誰もが他の者の領域を含む範囲で我が物であると主張し、それをまるで譲らなかったためです。後世から見れば、あの会談にはメタモルスやアタナトイが紛れていたのでは、とする者もいます。
幾つもの戦争が柱の塔を中心に発生し、様々な者がある地区の権利を勝ち得ては、瞬く間に消えていきました。
アルケナル帝国滅亡後はやや小康状態になったものの、それでも最終的に盤上に残った二つの国が、今もこの争いの地で小競り合いを繰り広げています。

勢力 †

ル＝ガル貴族共和国 †

貴族共和制を主政体とする国家で、お飾りの国王を別に、保守派と改革派の貴族が貴族議会によって国を統治しています。
争いの地における西部の殆どはこの国の改革派の貴族達が有する土地であり、オルトレルム連合王国を排除すべしと気勢を上げています。

オルトレルム連合王国 †

かつて争いの地の東部を有していた小国家や貴族達が連合して出来上がった国です。所属国の代表の中から連合としての王を選出し、その王と各所属国の代表によって国を統治しています。現在は保守派の影響力が低く、ル＝ガル貴族共和国を排除すべしと気勢を上げている改革派が勢力を強めています。

地理 †

柱の塔 †

「歪みの塔」とも呼ばれる白亜の巨大な塔状――最低でも基底直径六十メートル、高さ四十メートルはある円柱形の遺跡です。争いの地の中央に位置しています。
ルーンによる空間魔法建築技術を駆使して各階が構築されており、〈人〉のその技術の結晶体でもあります。もっとも、強力な魔法生物と、歪みの塔、と呼ばれる所以である、空間魔法そのものの暴走、またこの遺跡から得られるであろう利益を争うル＝ガル貴族共和国とオルトレルム連合王国の双方の妨害によって、その調査は依然として進んでいません。
塔はかつては二十階層程の高さであったと言われていますが、実際に何階層だったのかは定かではありません。というのも、ルーン魔法によって構成された各階の構造は空間的に歪められており、その外見と内部構造がまったく一致しないからです。
崩壊した今は、塔は“見た目は”七階層程までの高さしかありません。
しかし内部に侵入した冒険者の報告によると、少なくとも八階より上に続く階段が確かに存在したとあります。
この巨大な塔が何のために建造されたのかは分かっていません。天文学的――五つの月に関する研究のためではないかと言われていますが、その説の根拠は塔の各所に施された「五つの月信仰」とでも呼ぶべき仕掛けやレリーフぐらいのもので、確たるものではありません。

柱の砦 †

柱の塔の全周に広がる小さな城砦です。
かつてはごく小さな街の機能も果たしていたようですが、大失墜の際の深淵の攻撃と、それによる柱の塔の崩壊の余波を受けて壊滅し、完全な廃墟と化しています。野良化した魔法生物と、迷い込んだ野生動物が魔力によって変異することで誕生した魔獣が生息しており、大変危険です。

城塞都市ルオ＝テルベ †

柱の塔より真西にあり、ル＝ガル貴族共和国に属する星霜の街です。
その名の通りに、かつて争いの地に最初に作られた橋頭堡としての砦を改修して作られた都市であり、元々の構造と増改築の結果、立体迷路的な構造となっています。
発展度こそ低くはありませんが、争いの地の性質上、荒くれものが多く、治安は良いとはいえません。しかしながらルオ＝テルベを管理する複数の貴族領主達がそれぞれ私兵による治安組織を維持しているため、最低限は保たれています。
争いの地におけるル＝ガル貴族共和国の本拠地と言える場所であり、オルトレルム連合王国の最終攻略目標でもあります。

前線都市リムレリア †

柱の塔より真東にあり、オルトレルム連合王国に属する星霜の街です。
オルトレルム連合王国結成後にこの地にあった小さな村を改修して作られた都市であり、発展度で言えば争いの地の最上位に当たります。
ですがその反面、無理な拡張が祟って小さくないスラムが発生し、治安組織が管理できていない、できない場所が点在しており、全体的な治安は決して良いものではありません。
争いの地におけるオルトレルム連合王国の本拠地と言える場所であり、ル＝ガル貴族共和国の最終攻略目標でもあります。