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:シルバル/クリエイターメモ のバックアップの現在との差分(No.7)


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- このページは、シルバル地方製作者による、シルバルについての思索をまとめた覚書です。隠しページであり、その内容は大きく変更される可能性があります。
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* 歴史 [#k74de368]
** 帝国撤退の影響 [#h2a052dd]
- 帝国は、緑なすシリルが砂漠に変わり、そしてそれが大規模な入植の結果引き起こされたものであると知った時に、この地方の放棄を決断した。
- だが、その判断は正しかったのだろうか?当時の帝国は深淵など数百年前に追い払った、外敵のいない黄金期だったはずだ。本当にその意志があるならば、この地への統治と関与を続けることで、急激な砂漠化をできるだけ緩和するか、この地に水や技術などを提供し続けることが出来たはずだ。
- しかし、彼らはそれをしなかった。それは、彼らの繁栄の裏に忍び寄っていた弱さの証であり、土台が腐り始めていることを示す兆候だ。彼らは、シリル=ツバルに支援を続けるコストを嫌ったのだろう。帝国の官僚や貴族たちは、そのコストを中央などで使うほうがより「有用」だと考えたのだろう。彼らの目が内側に向きはじめたという証だ。そしてそれは後に、帝国が他の辺境も放棄していく嚆矢となる。 ―― 帝国は、誤った道を選択した。
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- 帝国はシリル=ツバルにおける非公式な関与を続けていたが、成熟した統治機構が失われたというのは、そこに住む人々にとっては、頼るもののない状態で砂漠の中に投げ出されたと同じことだ。それは権力の空白であり、新たな権力と秩序を獲得する動きとなる。帝国の撤退はこの地に動乱の時代を生み出した。そしてそれがシリル=ツバルを完全に引き裂き、また、今に至る様々なものを生み出したのだろう。良いものも、悪いものも含めて全てを。
- 統治とは、庭の手入れと同じものだ。よく出来た庭は、注意深く種をまき、様々な植物を計画に基づいて配置し、そして剪定して維持をする。「あるがままに放置する」ということは許されない。あらゆる雑草がはびこり、そして、生命力の強いものだけが生き残ることになるだろうから。 ―― しかし帝国はあるがままに放置する道を選んだ。
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- 高度に文明化された社会では、様々なツールが社会の基盤になり、そして社会と人々の思考に制約を加え、意識を律するようになる。帝国の高度な技術を急速に喪失したシリル=ツバルでは、それと逆のことが、意識の解放が行われた。社会的な、そして自然的な破局の間で。

** リザルドと人間社会 [#af44cda3]
- 緑なるシリルは過去の伝説の中に消え去った。しかし、その緑は、人々の努力の結実だったのだ。人々は、労せずして手に入れられた宝物でもそれを失う際には痛みを感じる。これが、何代にも渡る努力によって得た宝物ならば、それを喪失する痛みは甚だしいものとなろう。シリルの緑は、そういった宝物なのだ。
- 帝国による統治と秩序を失い、どんどんと失われていく緑を前にして、人々は他に依って立つ何かを必要とした。失われた宝物を再び取り戻すべく、過酷な自然への抵抗をするための何かを。
- リザルドは、その水を苦手とする特徴、そして反文明的な人間との付き合い方から、さらに言えば彼らの姿は人間の魂に刻まれた深淵(ドラグ)を彷彿とさせることから、人々にとって敵意の対象となりやすいものだ。なお悪いことに、リザルドは、人々から緑と水という宝物を奪った砂漠の象徴でもあるのだ。

* 文化・環境 [#f50c5ac6]

** シルバル人の思考 [#z3e82ac3]
- 砂漠のような過酷な環境では、人々の意識は研ぎ澄まされる。ほんの僅かな思慮のなさや判断ミスが即座に死につながるかもしれない環境だ。このような土地では、様々な革新と試練、そして保守的な伝統がせめぎ合う。
- 環境が社会形態と文化を作り、そしてそれらがそこに生きる人々の思考を支配する。レングラート地方は、「土地が少なく・開かれた・豊かな・外敵圧力が強い」環境だ。レングラート人が果てしない外側に突き進もうとするのは環境的必然といえる。それに対してシルバルは「(生存に適した)土地が少なく・閉ざされた・環境ストレスが極めて高い・外敵のいない」環境だ。ほぼ真逆の環境といえる。このような土地では、様々なものがどんどん内側へと進む。
- 資源を巡って争い合う国々とか、ナインズと違いバラバラになっている5つの宗派、種族的な壁など、社会的に大きな要素でも、その内向きの傾向は強く現れている。
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- セッションにおいて、ソルルト大神官ソラールは、ヴァルナの高位にあるエルフ『占い師』メッシャへの積極的な救済を行わなかった。これは自分が属していない組織に対しては積極的な関与を控えるという、シルバル人の内向きな視点の表れである。
- そして、この件をソラールに問えば、彼はこう言うだろう「我々が彼女を公に救済するのは、ヴァルナの神殿の面子を損ねることになる」と。たしかにそれは正しい。メッシャがあのような状態になっても他のヴァルナの者達は、彼女を助けられなかったか、あるいは、彼女がそのような状態にあると知らなかったのだから。しかし、そのような消極性は、慢性的な毒のように社会を冒すものともなりうる。

** 移動手段 [#ida9caaf]

- どうも砂船という設定に興味がわかない。砂漠世界に対する冒涜のように見える。砂漠という過酷でありながら特異的な脅威の環境を無視してる感じがする。
- 仮に高速で移動する必要があるとしても、それは砂船のようナンセンスなものである必要はない。もっとシルバルの大地らしいものがあるはずだ。例えば砂虫とか、砂の上を滑る魔法の絨毯だってもいい。

** 燃料と油 [#r3fc9575]

- 人類の長い歴史において「木材」は極めて重要な燃料源だった。シルバルにおいては最も貴重なものの一つだ。無論、オアシスの周囲で栽培する作物やナツメヤシの木などの残骸を燃料とすることができるが、それでは社会が利用できるエネルギーは原始的水準に留まることになる。サウザンスターズのような都市で要求される需要は到底維持できない。
- 勿論、サウザンスターズのような帝国が作った都市には、あちこちに《コンティニュアス・ライト》の照明道具があったであろうし、数百年経た今でもまだ多くのものは残っており、シルバル内で流通しているだろう。しかし、燃料はただの明かりや日常的に暖を取り、料理を作るためだけに使うものではない。鍛冶などの工学分野にとっても重要なものなのだ。
- シルバルの社会は、身近に手に入る動植物由来の油以外に、2つのものを見つけた。「サラマンダーの水」と「サンドウォームの薬油」だ。

*** サラマンダーの水 [#k4e088c5]
-  「サラマンダーの水」 ―― シルバル社会は安定的に確保できるこの液体を主要な燃料としている。これは、ブランデーのような琥珀色をした水で、火をつけるととても長い時間燃えるものだ。しかし、この水を屋外に放置しておくと、昼間の強烈な日差しによって燃え上がるため、瓶などに詰めて密閉するか、地下に保存しなければいけない。
- この液体は、地中深くに眠っているが、地上に湧き出ているスポットがシルバルの各地にある。昼間は燃え上がっているが、夜になるとこの液体は鎮火するため、夜の間に汲み取り、回収することが可能だ。そういった算出スポットでは建物と集落が周辺に建てられ、人々がその液体を回収し、運び出している。
- また、この液体は、適切な方法で精製することでより匂いや煙の少ないものに加工することができる。

*** サンドウォームの薬油 [#zae1fd9c]
- 「サンドウォームの薬油」 ―― サンドウォームの肉体は様々なものを提供するが、その一つはこの薬油と呼ばれるものだ。それはとても妙なる香りのものであり、様々な効能がある。燃やすことで漂う芳香を嗅いだり、香油として身体に塗りこんだり、また、食用としても利用できる。

** 生活スタイル・リズム [#m7aa791e]


* 信仰と宗教 [#h0d29940]
** 基本的なコンセプト [#nc0faed8]

- 帝国時代にこの地方に入植民と共に持ち込まれたナインズ信仰も、帝国からの隔絶と砂漠化するシルバルの過酷な環境の中で大きな試練を受けずには済まされなかった。
- 過酷な環境は、人々に強い信仰心を呼び起こす土壌ともなる。とはいえ、帝国がこの地から正式に撤退したことで、ナインズ信仰は岐路に立たされた。ナインズ信仰と帝国はほぼイコールのものであったため、この地に残る人々に「神々から見捨てられた」という思いを深く残したのだ。 ―― 人は、ご利益のない神々には奉仕しない。
- シルバルの社会が動乱する中で、原始的なアニミズム・シャーマニズムが台頭し、人々の心のなかに、あらたなる神々を求める思いが高まっていただろう。そしてそれは、ナインズに仕える司祭たちにとっても同じ思いだったのだ。彼らは人々の信仰を取り戻す新たな形を模索し、そしてそれが、神々の融合と、5柱の神を生み出すことになる。

** アルヴァ [#te94c6b0]
- アル=グラムが司る「太陽・光」は、大いなる熱源であり、それは砂漠の荒々しい力の象徴でもある。砂漠化するシルバルにおいて、灼熱の真昼と炎の熱さは同質なものとなり、こうしてアル=グラムとアグ=ヴァはひとつになった。
- 人々から緑と水を奪った砂漠の荒々しい力の象徴であり、裁きを司るアルヴァは、人々の潜在的な畏怖の象徴だ。その畏怖すべき力への信仰は支配者にとって利用可能なものである。こうしてアル=グラム神殿の社会的側面「統治の支援」と、アグ=ヴァ神殿の社会的側面「武力」は一つになり、この地に確固たる地歩を得たのだ。

** ソルルト [#e5968616]
- 「知恵・知識」を司るソル=パルと、「水・自由」を司るクオ=ルートが一つになりソルルトが生まれたのは、『門』の存在が極めて大きい。
- サウザンスターズにある『門』が、ソルルト大神殿の中に置かれているのは偶然の産物ではない。帝国が非公式な関与をこの地に続けるにあたって、『門』は重要な役割を果たしていただろう。つまり、『門』はシルバルの外から水や知恵を、そして帝国の技や力をもたらして来た。 ―― それは、神々の恩恵と容易に看做され、神聖視される。

** トテルタ [#r55d089a]
- この神については、「なぜそのまま残れたのか?」を考えるべきであろう。そしてその理由は容易にわかる。幸運という力は、そして神殿の社会的側面「経済と富」は、根源的なものであり、他に補完するものなど必要としないからだ。

** レグラナ [#kd19d6bf]
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* 魔法 [#a4b1cf39]
** 基本的なコンセプト [#s2da4ac0]

- シルバルには帝国から受け継がれた、ソーサラー、シャーマン、プリーストという基本的なものはあるが、それは環境によって変わりうる。
- シルバル人の、内側に向かう文化は、様々な魔法的実験にとっては、豊かな土壌になりうる。ソーサラー、シャーマン、プリーストの基本セットの呪文は、最大公約数を求めるような運動から結実した。より多くの人にとって、より使いやすく、まさに無数の世界をその中に抱える帝国みたいな考え方だ。しかし、思考の新たなる挑戦は、常に小さな単位から始まる。
- 科学は交流することで更に先へと突き進むが、それは、科学が最大公約数の産物だからだ。しかもその科学ですら天才たちがいなければその発展は遅くなっていただろう。そして、魔法は哲学とか悟りのような、個人に依存した要素が強くある。
- 内側に突き進むシルバル人の性向は、様々な魔法を創りだすだろう。環境に根ざした精霊呪文だけでなく、様々な哲学から生み出されるもの、同じ根の中で方向性を変えた枝、あるいは真に魔法と呼ぶにふさわしいもの。他にも、帝国から受け継いだもののエッセンス、などもあるだろう。
- 未来を見るヴィジョンの能力は、「真に魔法と呼ぶにふさわしいもの」の一例だ。そして、ハーフエルフのムディルが使っていた魔法は、帝国のバトルメイジの技を根とするものだが、あれは、孤立して生き残った帝国のエッセンスだ。

: プリースト系列 | 基本的には変わらないが、ナインズが5大神になった事により、追加魔法セットは大きく変動があろう。また、基本セットについても、環境と文化の影響を受けて、大きな変更がありうる。さらに、マイナーな信仰に関して言えば、今までとはまるで違う呪文セットになっていることも考えられる。
: シャーマン系列 | 精霊論そのものには変動はないが、シルバルの特異な自然環境に適応するために、呪文セットには大きな変動がありうる。また、いくつかの系列で分けられているのも考えられよう。
: ソーサラー系列 | いくつかの系統に分かれている。

また、上記の3系列は分かれているだけでなく、それらの幾つかを融合し、あらたな呪文セットを付け加えたものもあるだろう。以下のような特殊系列がありうる。

: エンハンスメント系 | 肉体の強化に特化した系列。上記3系列の肉体強化系およびグラップラーのオーラ系、ドラゴンプリーストの技、そしてそれ以外のシルバルの試練に耐えたものなどが融合して生まれたもの。
: ドルイド系 | シャーマンの特化系統。シルバルには、炎のドルイド系列がある(あった)。
: スワームホスト | シルバルの虫を使って実装が可能そうである。
: その他 | ネクロマンシーやウォーロック、その他追加魔法提案ででたものについても、ありうるか、または、基本系列や特殊系列の中にその要素が含まれる可能性がある。

** 精霊魔術 [#t5247ce9]
- 砂漠が広がるシルバルにおいては、ゼネラリスト的なシャーマン魔術は大きく変わらざるをえない。それは、環境が思考を方向づけ、環境がもたらす試練に耐えるための過程から生まれてくる必然なのだ。
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- リザルドは、砂の精霊術についてのマスターだ。彼らの中でも強力な者は《メイズディザート》や《サンドストーム》のような大いなる技すら使えるだろう。人間たちは、そのリザルドの技を参考に、いわば彼らの技を盗むことで、この砂漠に適応するための砂の精霊術を発展させてきたのだろう。
- 砂の上を容易に動くための《サンド・ライディング》、火で清める《ファイア・ピュリフィケーション》(もしくは、砂で清める《サンド・ピュリフィケーション》)、砂風を防ぐ《ガスト・プロテクション》などは、環境適応から生み出されたものだ。また、この過酷な環境を和らげるための手法、つまり、火の精霊力をコントロールして《サーマル》的な用途に供することも、行われているだろう。
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- 水系列の精霊魔術は絶滅に瀕するだろう。《カレント》のような高度な技は失われたはずで、《ディクリース・ウォータープレッシャー》や《ウォーター・ブリージング》のような呪文も存在価値をなくし、事実上失われているだろう。
- しかし、シルバルの人々にとって水への渇望は根源的なものだ。その思いは、新たな水の精霊術を生み出すか、もしくは、根源的なもの、つまり《クリエイト・ウォーター》のようなものへの道を作ることとなろう。

** 月の魔術 [#qba1bc17]
- ソーサラーの技は、数ある魔法の中でも、相当に科学的なものだ。それは、積み重ねられ、研究され、開発されねばならない。帝国の中心部では、それが非常に高度に行われており、そして、帝国からの分離は、その知恵の泉へのアクセスが遮断されたということでもある。
- 帝国撤退以後、おそらくこの地におけるソーサラーの技は、まさに絶滅の危機に面したであろう。その中で彼らは知と技を残すために、一つにまとまらねばならなかったはずだ。そして彼らは創りだしたのだろう ―― 「ウエル(月)教団」とでも呼ぶべきものを。
- 彼らはあちこちにその施設を作ることは、つまり、人的資源を分散させることは出来なかったはずだ。―― 核となるものができれば、その核が周りを吸い寄せて、その身体を作り、育てていく。これは、人間社会の典型的なものである。そして、その育った身体は重要欠かすべからざるものとなり、その体を守ることは至上命題となる。 ―― これも、人々の典型的な心の動きなのだ。
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- こうして出来上がった「ウエル(月)教団」は、国家など他の組織とは等距離を保とうとするだろう。中立と、厳格なルールに基づいたサービスの提供だけが、彼らの信頼性を高め、そして、それは彼らの生存の可能性と価値を強めることになるのだ。


* 種族 [#ra1e4930]
** ハーフエルフ [#te87a462]
- ハーフエルフが人の社会にもエルフの社会にも居場所を持てないのは理由がある。人の社会にとってはその長い寿命は社会への負担であり、そして、エルフの社会にとっては純粋さを損ねるものだからだ。
- ハーフエルフがシルバルでその価値を、つまり居場所を得るには、その寿命と若さを活用するしかない。つまり、長い寿命からくる知恵を提供するか、その若い身体を提供するかだ。しかし、その道はすでにエルフが制している道なのだ。それゆえハーフエルフはシルバルを流浪し、居場所を探し続ける状態に留め置かれている。

** エルフ [#fa3e3b4c]
- エルフはなぜヴァルナ神という信仰を持つに至ったのか、そして人々にその体を与えるようになったのか?
- ジェルクエルフはそもそも人間と協調して生きていく種族だった。そこがセファイトとは大きく違うところだ。しかし、彼らにとっても、ホームといえる場所は森である。緑なすシリルが砂に覆われ、その緑が絶えた時、彼らは他の方法で自分たちのホームを作らねばならなかった。つまり、心のなかの「森」を。
- おそらくエルフたちがヴァルナを信じるようになったのはその再生の側面からだろう。彼らは月や星々のように遠くにあるものと、自分たちの心のなかの「森」を重ねあわせ、そしてそれが再び現実に蘇ることを願っているのだ。
- しかし、そのためには、彼らはより積極的に人間と関わらなければならない。だからこそ、彼らはヴァルナの側面の中でも、肉体の癒やしというアプローチをとっているのだろう。彼らの生活のためと一般には思われているし、それは正しいだろうが ―― おそらくは彼らの隠された目的のために、人々をより知るために。

** フェンラン [#rd6bfeed]
- 彼らは、砂漠化するこの地を嫌い、その翼の力を持って世界から(シルバルから)飛び去ったと言われている。おそらくは、その伝承はある程度までは正しいのだろう。しかし、荒れ果てた砂漠にも住み着く鳥がいるように、その全員がシルバルから外に逃げたとは考えにくい。
- 自由な心を持つ彼らは、内向きになっていくシルバル人の思考と、平和が失われていく人間社会に見切りをつけ、彼らもまた隔絶したところに引っ込んだのかもしれない。あるいは、過去の動乱の中で彼らの止まり木を失い、死に絶えたか。

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