エンファータ世界の神々と信仰
エンファータ大陸では、九大神という神々が居り、人間社会はその神々を信仰しています。それぞれ、秩序や自由、幸運、愛、知識、芸術、技術、生死、勇気を主に司るそれら神々は、人間の生の営みを見守り、頑張る者を助ける存在です。大地神や自然神など、自然を司る神がいないのも特徴です。
また、破壊を司るガラクヴァを筆頭に、人の生を(人間からすれば)いわば悪に導く、様々な邪神(ヴェルラグ)たちがいます。この邪神たちは、ガルクランをはじめとする敵対種族や、ダークプリーストなどに信仰されています。
〈神〉 †
エンファータの神話で、最初にこのエンファータ世界に現れた神と言われています。この神の名前や姿は知られていません。九大神や5つの月をこの世界に贈った神ですが、神話の終わりとともに世界から旅立ったと伝えられています。そのため、今では、この神を信仰する人は殆どいません。
九大神(ナインズ) †
エンファータの星霜の民が信仰する九大神(アル=グラム、アグ=ヴァ、アグラ=イヴァナ、ヴァル=ノレル、クオ=ルート、ソル=パル、ティガ=タルナ、ト=テルタ、レ=ティオン)です。ナインズとも呼ばれます。
なお、『星霜の者(特に人間)は、九大神の全員を信仰しています』。神々を持たない狭間の民ならともかく、実際に神々がおり、プリーストの奇跡が日常的にある世界において、無信仰であったり信仰心が極めて薄いというのは、異端な存在なのです。
九大神の紹介 †
詳細は各神のページをご覧ください。また「九大神」のページもご確認ください。
- 光の神「アル=グラム」
- 「太陽」を象徴とする光の神で、「正義」「秩序」を司ります。信奉者は貴族や役人が多いですが、一般の人々にとっても秩序や道徳と、それによる安定した社会は望むものですので、広く敬されています。
- 戦いの炎神「アグ=ヴァ」
- 「勇気」を司る神で、「戦いの神」「炎の神」と見做されています。教えはストイックで、その厳しさから、一般からの広い信仰を受ける神ではありません。教え自体は人生全てにわたるものですが、信奉者は戦士などが中心となります。また、ドワーフがよく信仰します。
- 豊穣たる技術神「アグラ=イヴァナ」
- 「技術」「豊穣」「結婚」を司る神で、アグラという男神と、イヴァナという女神の2人で1柱となっており、そのため、この神の神官は「結婚」の儀式も執り行います。農業神であり技術神であり結婚の神であるアグラ=イヴァナは、多くの人々に親しまれている神です。そのため、アグラ=イヴァナの信奉者は多く、その信仰は人々の日常生活に広く密着しています。
- 愛の女神「ヴァル=ノレル」
- 「愛」を司り、人々に広く愛を与える美の神であり、生殖も司る神です。しかし、結婚の神とはみなされません。そのため、この神は娼婦などの家業を営む者達に信仰されることが多いです。若者を中心に信奉者がいます。
- 水と風の自由神「クオ=ルート」
- 海の水と風から生まれたといわれる神で、「自由」を司っています。深淵の森から人々を守るために海に加護をしているとされ、そのため、船乗りなどの多くが信奉者で、海に住むものから絶大な支持を受けています。また、フェンランもクオ=ルートを信仰しています。
- 無性の知識神「ソル=パル」
- 世界が始まってからの歴史を記し続けているといわれる神で、「知恵」を司ります。学者やソーサラーなど、いわゆる「学のある人々」に信仰されています。信奉者数はそれほど多くありません。
- 幸運の神「ト=テルタ」
- 「幸運」を司る神です。幸運を運ぶのは人と人との絆と交流である、との考えから、旅人や芸人、商人といった階層に信奉者が多いですが、幸運が欲しいのは人すべてに共通する願いです。そのため、ほとんど誰でも、幸運が欲しいときは、ト=テルタのテンプルに詣でたり、ト=テルタの気を引くような台詞を言ったりします。
- 両性の芸術神「レ=ティオン」
- 「芸術」「運命」を司る神です。信奉者の数は少なく、多くは芸術家や吟遊詩人・大道芸人などです。ただ、人々が求める娯楽を提供する存在でもあるため、他のナインズと同じく大事にされています。
- 生と死の女神「ティガ=タルナ」
- 「生」と「死」を司る神です。特に「死」、つまり死者の魂を見守る神とされています。この神の信奉者は数が少ないですが、誰でも「死」は逃れられず、この神の神官が執り行う「葬儀」は個人・社会にとって重要なものです。そのため、大事にされ、尊敬されています。
九大神の関連記事 †
詳細は各ページをご覧ください。また「九大神」のページもご確認ください。
- エンファータの神話
- 人間を中心に広く信じられている九大神の神話です。この神話はプリーストや熱心な信者なら必ず知っていますし、それ以外の人々も、内容をざっくりと知っています。
- テンプル
- 九大神のテンプルは、エンファータの各地に存在しています。また、テンプルの役割は人間社会のインフラを肩代わりすることではなく、人々のサポートをすることがメインとなっています。
- 信仰、信者、信奉者、神官、修練者
- 信仰の定義tと、信者、信奉者、神官、修練者と呼ばれる人たちの定義について記載しています。
- 冠婚葬祭
- 九大神を信仰する種族、特に人間は、結婚する際にはアグラ=イヴァナ神に儀式を捧げ、葬儀の際にはティガ=タルナ神に儀式を捧げます。
- 死生観
- 九大神信仰において、人は死んだらその魂は空の彼方、黒き月にある「ティガ=タルナの園」に赴くと信じられています。そして、時が来ればまた世界に蘇るという「輪廻転生」の死生観です。
ガラクヴァ〈竜〉 †
深淵の森に住まうガルクランたちが信仰しています。
神話の〈竜〉は、徹底的な破壊と混沌によって〈人〉を大地から追い滅ぼした存在であり、星霜の者は破壊と混沌を司るこの存在を、ガラクヴァ(全てを破壊する者)と呼んで恐れています。その圧倒的な力と恐れから、星霜の世界では邪神とみなされており、この神の教えを信じることは多くの国・種族で禁じられています。
実際、ガラクヴァは〈人〉の世界を滅ぼし、そしてガルクランは星霜の世界を滅ぼし、深淵の森を広げるべく活動しているので、星霜の者からすれば邪神で間違いありません。人間社会にいるガラクヴァ神官/信者は、ガラクランたちと結託して、人の世界を終わらせようと策謀しています。そのやり方は複雑であったり明白であったりしますが、そのような奉仕をすることで、神に愛されると信じています。
ヴェルラグ †
エンファータ神話では『パスツェル(黒の宝珠)』が血で浸されたことで、新たな〈人〉や、様々な異形、存在が現れたといわれています。邪なる神々もその時に生まれたといわれており、『ヴェルラグ(混沌の群神)』と呼ばれています。
ヴェルラグはすべて邪神であり、星霜の者は、これらの神々は、破壊神ガラクヴァの従属神だと考えています。実際、ヴェルラグの神官は、ガラクヴァの神官と同じく、神聖魔法+暗黒魔法+その神の特殊神聖魔法を使用することが出来ます。そしてまた、ガルクランや妖魔たちが信仰しているケースも見られます。
ただ、歴史上で、ガルクランが幾つかのヴェルラグ信仰を滅ぼした事例もあり、実際には、ヴェルラグの全てがガラクヴァに従属しているわけではないようです。
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