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ケンタウロス
半人半馬の姿をした狭間種族で、数十人~数百人単位の部族ごとにグループを作って生活しています。部族の団結心は強く、部族ごとに名をつけてそれを姓のように名乗ります(このことから分かる通り、彼らはファミリーネームは持ちません)。
本来、彼らは草原に住むのを最も好みます(下半身が馬なので)が、エンファータにおいては、草原だけでなく、森の中や山脈など、あちこちを部族単位で放浪しています。
ケンタウロスは部族単位で(基本的に)定住せずに放浪しており、狩猟・採集で食を得ています。その技術レベルは高くありませんが、知能が人間と比べて低いわけでなく、ケンタウロス語およびその周囲で一般的な言語(共通語やエルフ語等)を話します。
彼らは武具や道具などを手に入れるため、狩猟等で手に入れた毛皮や薬草などを、他の種族と取引することがよくあります。ただ、ケンタウロスの社会は貨幣経済ではないため、金銭には興味を示しません。とはいえ、物の価値はわかっているので、宝石や綺麗な装飾品、武器など、品物については、その価値を認めます。
種族特徴 †
種族スペック †
平均身長 | 200cm(馬部分の体高は120cm) |
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成人年齢 | 7~10歳(肉体成人年齢です。なお、生後すぐに自力で歩けるようになります) |
平均寿命 | 40~50歳程度(最大寿命は80歳くらい) |
使用言語 | ケンタウロス語、地方語 |
ケンタウロスは、生まれて直ぐに4本脚で立って歩けるようになります。また、その後の肉体成長も早く、早熟なものは7歳、一般的には10歳くらいで、肉体的には大人になります。その後の老化は比較的ゆっくりですが、多くは50歳程度までで、事故や戦闘外傷などにより「歩けなく/走れなく」なることが多いです。
ケンタウロスにとって動けないことは致命的ですから、回復不能になった時点で自死などをするケースが多く見られます。
種族の性格 †
ケンタウロスは属している部族への忠誠心が強く、部族ごとに名をつけてそれを姓のように名乗ります。このことから分かる通り、彼らにとって部族全体が家族であり、そのため、ファミリーネームは持ちません。人間的な意味での夫婦の結婚(一夫一妻制)や、家族観は持っていません。
また、肉体的成長が早い彼らですが、精神的な意味での成熟、知識の獲得がそれに追いついているとはいえません。もちろん、肉体成人する頃には狩猟や採集、戦闘技術など、ケンタウロス部族内での役割をこなすスキルは十分身についていますが、特に若い雄は、向こう見ずであったり、自制心が弱かったり、短絡的であったり、闘争心が強すぎたりして、いわば「喧嘩っ早い」のが特徴です。
20代~30代になる頃には、大人としての自制や社会経験・知恵も積むことで、そのような「幼さ」もなくなります(一般的には)。それに、成長しない個体は、過酷な自然や敵との戦闘などで死ぬものですから。
種族の社会 †
ケンタウロスの部族は、部族長(たいていは最も年齢の高いものが選ばれます)と幹部たちによる合議制で運営されます。
その合議で決まった内容は、絶対です。勿論、部族の団結心が強いケンタウロスは、その決定に疑問を持ったり、異論を挟んだりすることはありません。
部族全体が家族であり、一夫一妻制のような家族概念は持ちません。ですので、母親が誰かは知っていますが、父親が誰かがわからないということはよくあります。
なお、ケンタウロスの子供は、部族の大人全体で育てられます。これは、精神的にあまりにも未熟だが自由に動ける子供の行動を見守るにはそうせざるをえないということでもあり、また、部族への団結心を高め、部族の掟やリーダーへの服従、生きるためのスキルを教えるためでもあります。
死生観 †
ケンタウロスは自然とともに生きる種族であり、生は自然が与えた役割であり、死はその役割を終えて大いなる自然に戻るもの、と考えています。ですので、「走れない=役割を果たせない」ので、従容と死を選択するのです。
信仰・魔法 †
ケンタウロスは狭間種族ですので、神々への信仰は持ちません。セファイトエルフなどと同じく、自然を信仰しているといえるでしょう。そのため、シャーマン魔法を使える個体も時折存在します。
また、極めて稀ですが、ソーサラー魔法のような呪文を行使できるケンタウロスもいます。肉体にヴィサルガのような模様は浮かびますが、師匠からの体系だった学習・修行が必要なソーサラーと違って、自然発生的に稀に生まれる彼らは、そういった学習なしで、それらの呪文を使えるのが特徴です。
このようなソーサラー・ケンタウロスがなぜ発生するのかは、ケンタウロスたち自身もわからず、また、他種族の賢者にもわからない大きな謎となっています。
特殊な技能 †
特に雌のケンタウロスは、ヒーラー技能を習得していることがあります。ケンタウロスにとって、特に脚への負傷は致命的なものであるため、傷や病気を治すための知恵・技術は、重要なものなのです。そのため、ヒーラー・ケンタウロスは、薬効のある虫や薬草等、自然から手に入る様々な薬を使う技に長けており、また、他種族から仕入れた技術ですが、骨接ぎなども習得しています。
特殊なケンタウロス †
- ケンタウロス・バトルマスター
- ファイターレベルが高いケンタウロスです。部族の中ではベテランの戦士とみなされ、数人程度のグループのリーダーでもあります。モンスターデータを適宜変更(MLをあげるなど)してください。
- ケンタウロス・シャーマン
- 精霊魔法を使える、部族の中の癒し手や祭祀として働くケンタウロスです。少数ですが、大抵の部族にはいます。使える精霊魔法のレベルは様々です(年齢が高いほど、レベルが上がります。当然ですが)。
- ケンタウロス・プリースト
- 極めて稀ですが、星霜寄りの部族、または深淵寄りの部族では、プリースト魔法を使えるケンタウロスが居ることがあります。その際、星霜寄りならばナインズ、深淵寄りならばガラクヴァになりますが、プリースト魔法を使えるものでも、神々の教義などを信仰しているとは限りません。
- ケンタウロス・ソーサラー
- 極めて稀ですが、ソーサラー魔法のようなもの(使える呪文・効果はソーサラー呪文)を使える者が、自然発生的に現れることがあります。そのようなケンタウロス・ソーサラーは、身体にヴィサルガのようなものが浮かんでいます。
生活圏と星霜・深淵への対応 †
狭間の種族であるケンタウロスは、星霜の領域、狭間の領域、深淵の領域すべてで生息しており、生活圏によって、生き方が違います。ただし、1部族が、その全てを行き来しているわけではなく、各部族ごとに、星霜寄り・完全中立・深淵寄りのいずれかを選択しています。
星霜領域のケンタウロス †
ケンタウロスは下半身が馬ですので、海をわたることはなく、諸島には生息していません。大陸にある人間領域で、草原があるところにはケンタウロスの移動部族が出没することがありえます。
レングラート地方、アルケナル地方の星霜世界では、ベルアダームの大草原にケンタウロス部族が居るのが知られています。ベルアダームの大草原に住んでいる各部族は、ケンタウロスの中では例外的に定住しており、人間社会と交易しています。
ベルアダームのケンタウロスは、星霜寄りではありますが、星霜社会に組み込まれているわけではありません。彼らが住むエリアは、彼らが治める国であり、ベルアダームとは相互不可侵の約を結んでいます。ただし、深淵勢が攻めてきた場合には共に戦うことも約しています。
また、ベルアダーム以外で、星霜の領域に住んでいるケンタウロス部族も、そこに住む星霜種族・国と、同様の盟約を結んでいるのが一般的です。
狭間領域のケンタウロス †
ケルセットの密林など、狭間の世界に住むケンタウロス部族は、完全に不定住であることが多く、深淵(または星霜)種族の脅威が近づいてきた場合、居住地を移すことで難を回避します。
ただ、武器や道具など、生活に必要な工芸品を手に入れるために、セファイトエルフなど他の(文化的に進んだ)種族と交易をしたり、または、ドワーフ・人間・ガルクランなどと接触することもあります。
深淵領域のケンタウロス †
深淵の森に住むケンタウロス部族も居ることが知られています。
もちろん、ケンタウロスの肉体は、そのままでは深淵の森に適応できませんが、このような部族は、深淵の森で動けるよう、ガルクランから恩恵を与えられているのです。ちなみに、かつてはオーガやゴブリンなども、深淵の森で生きられるよう「適応」してもらったと言われており、賢者は、ガルクランがそのような部族に対してそれと同じ儀式を施したと推測しています。
深淵の森に住めるようになったケンタウロス部族は、その代償として、部族の若者の一定数を「傭兵」としてガルクランに差し出しています。もしもこのようなケンタウロスに遭遇した場合、敵対的な反応で襲ってくるでしょう。
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