てく。のGM講座/第5回:敵データの作り方 のバックアップ(No.6)
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第4回でシナリオの作り方の一つ(あくまで1つなのだ)を語ったので、次は、よく聞く悩み「敵データをどのくらいにしたらいいかわからない」に回答すべく、敵データの作り方をご紹介しましょうっ。
これを読めば、きっと敵データを作りやすくなるよっ。
まずは敵データの各数値について理解する †
敵データを作ったり改造したりするにしても、まずは、敵データの理論を知らないとどうにもなりませんよね。ということで、敵データの各項目を作る理論をご紹介しちゃいます。
データ項目 | 数値理論 |
ML | モンスターのレベルです。 ※実は、防御点と魔法ダメージ減少以外は、このMLは「モンスターの技能レベル+2」という理論で計算されています。以下の計算で抵抗などが「ML-2」となっているのは、そのためです。 |
攻撃値 | 爪や拳など1H攻撃はML+8、打撃力がより高い攻撃(尻尾や牙など)はML+7が一般的です。 ※「ML-2+器用B+7」で、拳などはセスタスと同じく+1されているということです。ただし、器用度などの隠しパラメーターが関わってくるので、ML+7や+8より数値を大きくしても全く問題ありません。 ※なお、モンスターデータの場合、複数回攻撃をするからといって、命中にマイナスは無いのが基本です。(例:虎やワイバーンなど) |
打撃力 | ML+7~10くらいが一般的です。 ※「ML-2+筋力B+打撃レートの出目7の値」ということですが、MLに上記の数値をプラスしたほうがわかりやすいでしょう。 ※なお、命中を下げた場合、その分ダメージは増やすのが基本です。 ※MLが高いほど、7~10の数値は上がります。例えばML3の虎は+7ですが、ML7のワイバーンは+9です。ML10のヒュドラは+10ですが、同じML10のドラゴンは+11になっています。大型生物のほうが筋力Bが高いので、MLが高いとダメージも増えるのです。 |
回避値 | ML-2+敏捷B+8(受動優先のため)が基本です。 ※サイズ・盾の所持によって変動します。大型なら-1、より大型なら-2、盾効果ありなら+1されます。 ※ML+8くらいが限界で、それ以上だとPCの攻撃はほぼ当たらなくなります。 |
防御点 | 基本的にML+2が最低値です。 ※ML+2:鎧なし(防御レート0程度)、ML+3:クロースからソフレ程度の防御力(防御レート7程度)、ML+4:ハドレ程度の防御力(防御レート12程度)、ML+5:金属鎧程度の防御力(防御レート20程度)、ML+6:それ以上硬質な体(ミスリルとかペトラの体など) |
生命抵抗 | ML-2+生命B+8(受動優先のため)が基本です。 |
精神抵抗 | ML-2+精神B+8(受動優先のため)が基本です。 |
ブレス・咆哮など | ML+7が一般的です。 ※なお、呪文についてはPCたちと同じ計算で行います。 |
上記表の制作にあたっては冬谷さんに分析とアドバイスを頂きました。ありがとうございます!
なお、SWのモンスターデータからの逆算ですので、モンスターによっては上記に当てはまらない場合があります。ただ、生命抵抗や精神抵抗については、どのモンスターもこの計算値から外れません。
(エンファータのオリジナル敵がこれから外れてることがあるんですよねー。今度TEKになおしてもらわなきゃ)
どのくらいの敵が適正か? †
PTの平均LV+2? †
- 一般的に、PTの平均レベル+2のMLがある敵が適正で、+3になると強敵になる
一般的には、上記の指針にそって、ルルブにある敵を選ぶのが妥当です。
しかし、これも、PT構成によって変わるものなので、絶対的な指標ではありません。例えば、PTが5人いても、3人がバード、スカウト、セージだったら、攻撃に参加できるのは2人しかいなくなります。同じくPTが5人でも4人が前衛戦士なら、攻略は容易でしょう。特に攻撃回数が1回しかない敵なら。
このようにMLだけでは、指標として不十分です。
ここからは、他の指標をご紹介しながら、「強い敵だった、危なかったぜ…」とPLに思われる敵をご紹介します。
PTの戦闘力を計算する †
さて、適正な敵を作るためには、「PTの戦闘力」の計算が欠かせません。
とはいえ、フリーセッション突発だと、シートをそこまで厳密にチェックする時間はないこともありますよね。その際は、簡易計算で、ざっくり把握しましょう。
簡易計算表 †
さて、これでてく。のキャラクター『ソル』を数値化すると、「攻撃力:14、ダメージ量:15、回避力:14、防御力:12、魔法抵抗力:14」となります。
これは、実際のPCのスペックを期待値計算したよりは低い数値ですが、2d6で必ず期待値(7)が出るとは限りません。出目が良い状態を基準に敵を設定すると、出目が腐った時に大変なので、PCは多少低い出目で計算します。
また、筋力B1であったり、高品質/魔化を持っていたり、グラップラーがあったりすると、この数値、特にダメージ値/防御力は大きくぶれます。そこら辺はご了承ください(いずれ計算式を作りなおすかも)。
PTのダメージ量を知る †
こうやって、参加PCを評価したあと、何を見るかというと「PTのダメージ量」です。
例えば、ソルくらいのスペックのPCが3人いた場合、毎ラウンド15点を3回以上与えられるということです。
つまり、6レベル前衛が3人いた場合、防御10でHP30までの敵なら、2ラウンドで落ちるという計算が成り立ちます。
実際には、ソーサラーの《ファイア・ウェポン》などの武器強化(ファイアウェポンはダメージ量が+2点されます)や、ダメージ魔法などがあり、クリティカル出目が走ることもあるので、1ラウンドで落ちる可能性も高いものです。ルーンマスターがいなくても、強打+2もありますしね。
※余談ですが、高レベルPT相手にワイバーンが1ラウンドキルされることが多いのも、ワイバーンは防御・HPが低いからなのです。
そして、こういうPT相手に、1回しか攻撃できない敵を作っても、あまり脅威に感じないのもわかります。
たとえ敵の打撃力が20点だろうが、12点は防御されて、8点しかダメージを与えない計算になるので。
さて、こうしてPCたちの「平均的な」戦闘力を調べたわけですが、これを何に使うのか…?
それは次からご紹介します。
継戦ラウンドから逆算 †
- 3ラウンドは戦える敵を作って、その3ラウンドでPTを苦戦させるような戦闘データを考える
先ほどの「PT戦闘力の算出」は、この逆算のためにあります。
1ラウンドで最低15点ダメージを与えるPCが3人いるなら、3ラウンド持たせるにはどうするか…?
その際の方法として、「HPをあげる」「防御力をあげる」「回避力をあげる」「HP回復をつける」「敵を増やす」の5つがあります。
- 1:HPをあげる:単体敵で、防御力10程度にして、HPを45くらいにするということです。もしくは、防御力12程度にして、HPを30くらいにするということです。この方法は、PCのダメージ量が好調な場合、あっという間に削られてしまうという難点があります。
- 2:防御力をあげる:単体敵で、HPは20程度ですが防御力を14くらいにあげてしまうという方法です。ただ、現実的なラインは、防御13でHP25程度でしょう。防御力を上げ過ぎると、PCがいくら攻撃してもろくにダメージを与えられず、PLのストレスが貯まります。
- 3:回避力をあげる:当たりにくくするということですね。平均命中が14なら、16くらいにしてしまえば、容易に当たらないでしょう。ただし、これは、防御力をあげるよりもさらに危険です。当たればクリティカルが期待できますが、そもそも当たらなければ0点なので、PLのストレスは更に高まりますし、GMとしてもダメージ量の計算がしにくくなります。
- 4:HP回復をつける:「HPをあげる」の変則版です。明らかにHPが異様な数値になる場合は、毎ラウンド3~5点の回復をつけることで、HPを高めたのと同じ効果を上げることが出来ます。ただし、クリティカルなどによる1Rキルは注意。
- 5:敵を増やす:防御10、HP20でも、その敵が3体いたら、PCの攻撃は散らざるを得ません。ただし、2H武器による「なぎ払い」には注意しましょう。
(以下、書きかけ)