ホーム > 無貌の神

無貌の神 のバックアップ差分(No.1)


  • 追加された行はこの色です。
  • 削除された行はこの色です。
 呼び名などに、固執することこそが、そなたらが、不完全たるひとつの事由。
其は、この世の始まりよりも前に在り、完全なる其は一にして全。

其は、アグラ=イヴァナであり、ヴァル=ノレルでもある。ソル=パルでもあり、レ=ティオンでもあり、クオ=ルートでもあり、アグ=ヴァでもある。ト=テルタにして、アル=グラムであり、そしてガラクヴァである。
この世にて、真、神などと呼ばれているものの全ては、其の模倣に過ぎず。
あらゆる形をとり、あらゆる力をもち、それでもなお、そなたらが、其の名を求めるのならば、それもまた与えよう――――。

無貌の神 (The Faceless God) と ―――― そのための呼び名に過ぎぬ。



〈無貌の神〉は、邪神の一人です。その来歴は古く、ナインズに伝わるエンファータの神話より前、〈神〉がこのエンファータの大地に現れる前からいたとみられています。この神の来歴が明らかになったのは、ドラグのクラン・ヴリトラに密かに伝わるヴリトラ聖書によってです。

〈無貌の神〉は、〈神〉がこの地上に降りたつ前の旧世界を支配していた神々の一人で、主神の一人と考えられています。名と姿を持たず、無貌の神として知られるこの神は、あらゆる神の神格を取り、信者のあらゆる願いを叶え、そして、信者たちは、魂が破滅するに至るまで、己が欲望を満たそうと堕落していくと言われています。

* 神の来歴 [#p8a7f153]
** 神話の闇にいる〈無貌の神〉 [#x7639918]

『 〈竜〉めは、その身体をもとに産み出した大地こそが、其を退け得たのだ 』

この神とその信者たちは、旧世界を貪り破壊しかけたと言われています。しかし、現れいでた〈竜〉が旧世界の神々を打倒し、その身で作り出した黒き豊饒の大地で大地を覆うことで、〈無貌の神〉も雌伏を余儀なくされます。神が再び活動を始めたのは、ナインズの神話時代、〈神〉が眠りについてからの、〈人〉の争いの時代でした。

エンファータの神話の第二部では、〈神〉が眠りについた後、〈人〉は求め、奪い、果てには互いに相争い、大地を血で濡らしたと記されています。これは、〈無貌の神〉が密かに活動し、〈人〉がその信仰に堕落したためでした。〈人〉は黒き豊饒の大地を切り開き、大地から黒き宝石パスツェルを得てそれを使い、そして、創造と腐敗と混沌が、大地を支配しました。

この結果現れた〈竜〉の使徒、黒竜雌ドラグのヴリトラと五竜のドラグによって、〈無貌の神〉の信仰は粉砕され、〈人〉の世界は打ち砕かれました。エンファータの神話の第10節にある、〈竜〉の破壊です。その後、第11節以降、〈竜〉の使徒たちは〈無貌の神〉の信者とそのいくつもの都を攻撃し、破壊し、黒き豊饒の大地と彼らが呼ぶ深淵の森で大地を覆いました。

この神の存在はエンファータの神話から完全に削除されていますが、それは、〈神〉とナインズの御許に集まった者たちの多くは、〈無貌の神〉の信仰から目が覚めた者たちであり、この神の存在を明らかにすることで、後世、この神への侵攻が再び広まるのを恐れたためと考えられています。

神話では、この〈無貌の神〉を打倒するために、〈竜〉の使徒たちと星霜が共闘した可能性も示唆されていますが(第13節、ト=テルタと〈竜〉の会話など)、真実は定かではありません。明らかなのは、〈無貌の神〉は敗れたということです。
しかし、神話の遥か昔から存在するこの神は、そう易々と滅ぼされる存在ではありませんでした。

** 〈無貌の神〉の眷属:メタモルス [#g6a61297]

「 無貌の神は、はるか太古の昔、クリフォトに宿っていた。そして、それを封印したのがダアトというセージブロッサムだった 」

〈無貌の神〉は、〈竜〉によって旧世界から放逐されたあと、クリフォトと呼ばれる邪悪の樹にその魂を潜ませていました。そうして〈人〉をそそのかしていったのですが、エンファータの神話の第10節において、ガラクヴァ〈竜〉の使徒であるヴリトラにその樹は大きく傷つけられ、弱められ、そして、世界樹の若枝たるセージブロッサムのダアトが育った樹によってのみ込まれ、封印されて眠りにつきました。この樹が、今のクルル・ラス・イスピリトにある精霊樹です。

その後、上記で記した通り、その後、この神の信者は打ち滅ぼされていくのですが、敗北を悟った〈無貌の神〉は、自分の眷属をこの世界に生み落とします。それがメタモルスでした。

メタモルス達は与えられた役割通り、〈竜〉の使徒たるドラグに近づき、おそらくは、もはや不要になった〈無貌の神〉の信者、つまり〈人〉たちを滅ぼすのにも活躍したでしょう。そうして今でいうガルクランとして信任を得ながら、ドラグにもなりすまし、長い時間をかけて〈無貌の神〉の記憶と記録を消し、〈無貌の神〉が滅びの呪いをかけたヴリトラの子孫を迫害し、ドラグ社会から追いやったのです。すべては、〈無貌の神〉の復活のために。

メタモルスの中でも強力な、11体の〈無貌の神〉の神官たちは、クリフォトの11のセフィラに対応させて自らをダークイレブンと名乗り、メタモルスを表と裏から支配していました。
さらに、メタモルスだけでなく、クリフォトの力でクルル・ラス・イスピリトの賢人に自らを潜り込ませ、そして、火竜ドラグのウォーロードなどにもなりすましているなど、その影響は広範囲にわたっていたのです。

** 刻印戦争、そして降臨と滅び [#sd2d317a]

『 <竜>も、九神も。<神>も。すべては、誤り 』

ダークイレブンたちは長い時をかけ、〈無貌の神〉の復活を計画していました。
その為の神の器として作られたのが、『最高傑作』とも呼ばれる最強の創造物、フィースメアでした。彼らはそのフィースメアにクリフォトの核を埋め込み、神の器として生み出したのです。

そして、全ての準備を整えたダークイレブンたちは、ドラグ・グランドロード・ガンディリオにライバル心を抱いているドラグ・ウォーロード『独眼』ペルセライガに取り入り、刻印戦争と呼ばれる作戦を持ち込みます。これは十二星座の力と〈無貌の神〉を使って深淵を強化するもので、それは戦いに大きく役立つものでした。

しかし、真実は、この刻印が一巡りする間、その刻印を帯びさせることで、強制的に、知らぬ間に〈無貌の神〉の信者とした者たちの命を使って、〈無貌の神〉を完全に蘇らせ降臨させるという、ダークイレブンの策略だったのです。

ですが、フィースメアにクリフォトの核を埋め込み、神の器として生み出した過程で、ダークイレブンたちは一つミスを犯していました。それは、ダアトの意識も、フィースメアに入ってしまったのです。そして、フィースメアが力をつけた、オーガの大内乱でガンディリオ達と培われた仲間意識。その二つが、ガンディリオにメタモルスの真の計画を知らせ、そして、『賽の目』を通して、『独眼』ペルセライガに伝わったのでした。

そして、『独眼』ペルセライガは、〈竜〉の使徒ヴリトラと共に、〈無貌の神〉の信仰を滅ぼした火竜ドラグの英雄アルガロスの血を色濃く受け継いでいました。その血が、メタモルスたちの計画を拒否し、そして、強固な意思が、ガンディリオへのライバル心を克服したのです。

メタモルスによる刻印計画の始まりから、ガンディリオ、ペルセライガ、そしてダアト/フィースメアは〈無貌の神〉の降臨を阻止すべく動いており、最終的には、星霜の冒険者たちと共に、ダークイレブンと、そして、降臨した神を打ち砕くことに成功しました。

〈無貌の神〉の魂は、今まで蓄えられた刻印の死者の魂を使って逃げ出そうとしましたが、その力が蓄えられたクリフォト祭壇は破壊されて力を失いました。そして、刻印を得て死んで、つまりその神の中に取り込まれていた〈竜〉の使徒ヴリトラの血を最も色濃く受け継ぐ『目隠し』シエゴの魂や、彼に率いられた魂によって、その存在が消滅したのです。


* 関連 [#kdeb0e66]

[[SandBox/黄道十二宮]]

ページ新規作成

新しいページを投稿できます。

TOP