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無貌の神 のバックアップの現在との差分(No.2)


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- このページに記載されている情報の知名度は24です。
- 星霜、深淵、狭間の別にかかわらず、エンファータでこの情報を知っている者はほとんどいません。仮に何らかの方法で知りえたとしても、異端邪説のようなものとみなす人がほとんどでしょう。ただし、連作シナリオ[[SandBox/黄道十二宮]]の最終回に参加したPCなどは(真相として)ある程度知っていることにしても差し支えありません。
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〈無貌の神〉は、邪神の一人です。

名と姿を持たず、無貌の神として知られるこの神は、あらゆる神の神格を取り、信者のあらゆる願いを叶え、そして、信者たちは、魂が破滅するに至るまで、己が欲望を満たそうと堕落していくと言われています。

この神は〈竜〉によって滅ぼされたと言われていますが、眷属としてメタモルスを生み出し、密かに復活を企んでいました。
メタモルスの中には真相を知らず、ガラクヴァに仕えてガラクヴァのために働いている者も多くいます。しかし、メタモルスを表から、そして裏からも支配する中核たちは、〈無貌の神〉が自分たちの神であることを知っており、そして、その復活のために、遥かなる昔から活動していたのです。

この神は長らく世界の闇に潜み、再臨の機を窺っていました。そしてそれはあと一歩のところで達成される寸前までいきましたが、英雄たちによって阻止され、滅ぼされました。

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呼び名などに、固執することこそが、そなたらが、不完全たるひとつの事由。
其は、この世の始まりよりも前に在り、完全なる其は一にして全。
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其は、アグラ=イヴァナであり、ヴァル=ノレルでもある。ソル=パルでもあり、レ=ティオンでもあり、クオ=ルートでもあり、アグ=ヴァでもある。ト=テルタにして、アル=グラムであり、そしてガラクヴァである。
この世にて、真、神などと呼ばれているものの全ては、其の模倣に過ぎず。
あらゆる形をとり、あらゆる力をもち、
それでもなお、そなたらが、其の名を求めるのならば、それもまた与えよう――――。
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無貌の神 (The Faceless God) と ―――― そのための呼び名に過ぎぬ。







* 神の来歴 [#p8a7f153]
この神の来歴は古く、ナインズに伝わるエンファータの神話より前、〈神〉がこのエンファータの大地に現れる前からいたとみられています。〈無貌の神〉はその旧世界を支配していた神々の一人で、主神の一人と考えられています。
この神の来歴が明らかになったのは、ドラグのクラン・ヴリトラに密かに伝わるヴリトラ聖書によってです。


** 神話での〈無貌の神〉 [#x7639918]
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『 〈竜〉めは、その身体をもとに産み出した大地こそが、其を退け得たのだ 』

この神とその信者たちは、旧世界を貪り破壊しかけたと言われています。しかし、現れいでた〈竜〉が旧世界の神々を打倒し、その身で作り出した黒き豊饒の大地で大地を覆うことで、〈無貌の神〉も雌伏を余儀なくされます。神が再び活動を始めたのは、ナインズの神話時代、〈神〉が眠りについてからの、〈人〉の争いの時代でした。

エンファータの神話の第二部では、〈神〉が眠りについた後、〈人〉は求め、奪い、果てには互いに相争い、大地を血で濡らしたと記されています。これは、〈無貌の神〉が密かに活動し、〈人〉がその信仰に堕落したためでした。〈人〉は黒き豊饒の大地を切り開き、大地から黒き宝石パスツェルを得てそれを使い、そして、創造と腐敗と混沌が、大地を支配しました。

この結果現れた〈竜〉の使徒、黒竜雌ドラグのヴリトラと五竜のドラグによって、〈無貌の神〉の信仰は粉砕され、〈人〉の世界は打ち砕かれました。エンファータの神話の第10節にある、〈竜〉の破壊です。その後、第11節以降、〈竜〉の使徒たちは〈無貌の神〉の信者とそのいくつもの都を攻撃し、破壊し、黒き豊饒の大地と彼らが呼ぶ深淵の森で大地を覆いました。
〈無貌の神〉の信者となった〈人〉は、世界中に巨大な都を作り、世界中から略奪と搾取を行い、ために空飛ぶものも、地を駆けるものも、地中を這うものも、ほとんどすべての動物は絶え、緑は消え去り、河は鮮やかに濁り、大地は赤茶けた不毛の荒野となったと、ヴリトラ神話は伝えています。

しかし、己が欲望のとりことなった〈人〉たちは、栄華の極みにある彼らの都の中で、欲望のままに浪費し、果てには気分のままに己が姿を取り換え、弱き者たちの命を奪い、殺し、そうして、瞳が虚無に黒く染まるまで、腐敗し堕落し果てたと言われています。

ですが、世界はそんな〈無貌の神〉と信者たる〈人〉の横暴を許しはしませんでした。
現れいでた〈竜〉の使徒たる黒竜雌ドラグのヴリトラと、ヴリトラに従う五竜のドラグによって、〈無貌の神〉の信仰は粉砕され、〈人〉の世界は打ち砕かれました。エンファータの神話の第10節にある、〈竜〉の破壊です。その後、第11節以降、〈竜〉の使徒たちは〈無貌の神〉の信者とそのいくつもの都を攻撃し、破壊し、黒き豊饒の大地と彼らが呼ぶ深淵の森で大地を覆いました。

この神の存在はエンファータの神話から完全に削除されていますが、それは、〈神〉とナインズの御許に集まった者たちの多くは、〈無貌の神〉の信仰から目が覚めた者たちであり、この神の存在を明らかにすることで、後世、この神への信仰が再び広まるのを恐れたためと考えられています。

神話では、この〈無貌の神〉を打倒するために、〈竜〉の使徒たちと星霜が共闘した可能性も示唆されていますが(第13節、ト=テルタと〈竜〉の会話など)、真実は定かではありません。明らかなのは、〈無貌の神〉は敗れたということです。
しかし、神話の遥か昔から存在するこの神は、そう易々と滅ぼされる存在ではありませんでした。

** 眷属:メタモルス [#g6a61297]
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「 無貌の神は、はるか太古の昔、クリフォトに宿っていた。そして、それを封印したのがダアトというセージブロッサムだった 」
「 我々メタモルスは、完全な存在の足掛けとして生み出されましたが、こうして貴方がたの頭の中と同じ、などという言葉を吐いているようでは、まだまだ我らが神の望む真なる支配者にはほど遠いでしょうね 」

〈無貌の神〉は、〈竜〉によって旧世界から放逐されたあと、クリフォトと呼ばれる邪悪の樹にその魂を潜ませていました。そこからエンファータの神話の第二部で〈人〉をそそのかし、堕落させていったのです。しかし、第10節において、ガラクヴァ〈竜〉の使徒であるヴリトラによってその樹は大きく傷つけられ、弱められ、そして、世界樹の若枝たるセージブロッサムのダアトが育った樹によってのみ込まれ、封印されて眠りにつきました。この樹が、今のクルル・ラス・イスピリトにある精霊樹です。
〈無貌の神〉は、〈竜〉によって旧世界から駆逐されたあともこの大地に魂を隠し、エンファータの神話の第二部で〈人〉をそそのかし、堕落させていったのです。しかし、第10節において、ガラクヴァ〈竜〉の使徒であるヴリトラと、彼女が率いる者たちに敗れ、封印されました。

その後、上記で記した通り、その後、この神の信者は打ち滅ぼされていくのですが、敗北を悟った〈無貌の神〉は、自分の眷属をこの世界に生み落とします。それがメタモルスでした。
その後、この神の信者は〈竜〉の使徒、つまりドラグたちに打ち滅ぼされていくのですが、敗北を悟った〈無貌の神〉は、自分の眷属をこの世界に生み落とします。それがメタモルスでした。エンファータの神話第13節にある〈異形〉とは、メタモルスのことだったのです。

メタモルス達は与えられた役割通り、〈竜〉の使徒たるドラグに近づき、おそらくは、もはや不要になった〈無貌の神〉の信者、つまり〈人〉たちを滅ぼすのにも活躍したでしょう。そうして今でいうガルクランとして信任を得ながら、ドラグにもなりすまし、長い時間をかけて〈無貌の神〉の記憶と記録を消し、〈無貌の神〉が滅びの呪いをかけたヴリトラの子孫を迫害し、ドラグ社会から追いやったのです。すべては、〈無貌の神〉の復活のために。

メタモルスの中でも強力な、11体の〈無貌の神〉の神官たちは、クリフォトの11のセフィラに対応させて自らをダークイレブンと名乗り、メタモルスを表と裏から支配していました。
さらに、メタモルスだけでなく、クリフォトの力でクルル・ラス・イスピリトの賢人に自らを潜り込ませ、そして、火竜ドラグのウォーロードなどにもなりすましているなど、その影響は広範囲にわたっていたのです。
メタモルスの中でも強力な、11体の〈無貌の神〉の神官たちは、自らをダークイレブンと名乗り、メタモルスを表と裏から支配していました。さらに、メタモルスだけでなく、その化ける力を使って、広範囲にその影響を及ぼしていたのです。

** 降臨と滅び [#sd2d317a]
** 復活と滅び [#l8e3a3c0]
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『 〈竜〉も、九神も、〈神〉も。 すべては、誤り 』

ダークイレブンたちは長い時をかけ、〈無貌の神〉の復活を計画していました。
その為の神の器として作られたのが、『最高傑作』とも呼ばれる最強の創造物、フィースメアでした。彼らはそのフィースメアにクリフォトの核を埋め込み、神の器として生み出したのです。
ダークイレブンたるメタモルス達は、永い時をかけて、〈無貌の神〉の復活の準備を整えてきました。
神が降臨するための器を作り、神を復活させ降臨させるための大戦争という儀式を整え、ドラグをそそのかすことでそれを実施させ。かつて〈無貌の神〉を滅ぼした〈竜〉の使徒たるドラグたちを上手く使い、メタモルスたちは、その悲願を達成しようとしていたのです。

そして、全ての準備を整えたダークイレブンたちは、ドラグ・グランドロード・ガンディリオにライバル心を抱いているドラグ・ウォーロード『独眼』ペルセライガに取り入り、刻印戦争と呼ばれる作戦を持ち込みます。これは十二星座の力と〈無貌の神〉を使って深淵を強化するもので、それは戦いに大きく役立つものでした。
しかし、彼らの計画にあったほんの僅かなミスと、ヴリトラが記し残し、密かに伝えられ隠されたヴリトラ聖書により、彼らの計画はドラグたちや星霜の知るところとなりました。

しかし、真実は、この刻印が一巡りする間、その刻印を帯びさせることで、強制的に、知らぬ間に〈無貌の神〉の信者とした者たちの命を使って、〈無貌の神〉を完全に蘇らせ降臨させるという、ダークイレブンの策略だったのです。
実は、第10節で〈無貌の神〉を封印する際にも、ヴリトラたちと、当時の〈神〉とナインズの使徒たちは協力していたと、ヴリトラ聖書は伝えています。そうして今回もまた、両者の共闘は実現し、そして、復活しようとしていた〈無貌の神〉とその神官たるダークイレブンたちは打倒されたのです。

ですが、フィースメアにクリフォトの核を埋め込み、神の器として生み出した過程で、ダークイレブンたちは一つミスを犯していました。それは、ダアトの意識も、フィースメアに入ってしまったのです。そして、フィースメアが力をつけた、オーガの大内乱でガンディリオ達と培われた仲間意識。その二つが、ガンディリオにメタモルスの真の計画を知らせ、そして、『賽の目』を通して、『独眼』ペルセライガに伝わったのでした。
〈無貌の神〉は、復活の儀式たる大戦争で得た死者の魂の力を使ってその魂を逃がそうとしましたが、その力が蓄えられた祭壇が破壊され、力を失いました。そして、その戦争で死んで〈無貌の神〉の中に取り込まれていた、〈竜〉の使徒ヴリトラの血を最も色濃く受け継ぐ者の魂によって、その存在が消滅したのです。

そして、『独眼』ペルセライガは、〈竜〉の使徒ヴリトラと共に、〈無貌の神〉の信仰を滅ぼした火竜ドラグの英雄アルガロスの血を色濃く受け継いでいました。その血が、メタモルスたちの計画を拒否し、そして、強固な意思が、ガンディリオへのライバル心を克服したのです。
こうして〈無貌の神〉は完全に滅び、ガラクヴァ〈竜〉の使徒ヴリトラは、ついに、その役目を果たしたのでした。

メタモルスによる刻印計画の始まりから、ガンディリオ、ペルセライガ、そしてダアト/フィースメアは〈無貌の神〉の降臨を阻止すべく動いており、最終的には、星霜の冒険者たちと共に、ダークイレブンと、そして、降臨した神を打ち砕くことに成功しました。
** ナインズ神話との差異 [#hdc02802]

〈無貌の神〉の魂は、今まで蓄えられた刻印の死者の魂を使って逃げ出そうとしましたが、その力が蓄えられたクリフォト祭壇は破壊されて力を失いました。そして、刻印を得て死んで、つまりその神の中に取り込まれていた〈竜〉の使徒ヴリトラの血を最も色濃く受け継ぐ『目隠し』シエゴの魂や、彼に率いられた魂によって、その存在が消滅したのです。
こうして、ガラクヴァ〈竜〉の使徒ヴリトラは、ついに、その役目を果たしたのでした。
ナインズに伝わる「エンファータの神話」では、〈無貌の神〉のことは記載されていません。この神の力は恐るべきもので、その信仰が復活しないよう、知識そのものを遠ざけたと考えられています。また、〈無貌の神〉の存在と、〈竜〉による駆逐は、〈神〉の登場前に現れたため、エンファータの神話より以前の出来事も含まれています。
それらを踏まえて、エンファータの神話を補完すると、以下のようになるでしょう。

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- 第0節:無貌の神の支配する世界
- 第0節:ガラクヴァ〈竜〉が無貌の神を滅ぼして世界を豊饒の大地で覆う
【第一部】
- 〈神〉の登場、アグラ=イヴァナ、ヴァル=ノレル、ソル=パル、レ=ティオンの誕生(変更なし)
【第二部】
- 第5節~第10節:〈無貌の神〉が〈人〉の間に信仰を広げて、支配
- 第10節:ヴリトラ〈竜〉が〈無貌の神〉を封印
- 第11節:ブリトラ〈竜〉が〈無貌の神〉に溺れた〈人〉の文明を攻撃
【第三部】
- 第12節:11節の継続で、ヴリトラ〈竜〉の〈人〉への攻撃 / 〈無貌の神〉に溺れた〈人〉のなかから、海に逃れた者たちが、〈神〉の叱責で目が覚める
- 第13節:さらなる〈異形〉の登場=メタモルスの誕生 / 〈竜〉とト=テルタの会話:ドラグと星霜の共闘の可能性
- 第15節:〈無貌の神〉の信仰と、それに溺れた〈人〉の終わり
【第四部】
- 神話の終わりと歴史の始まり(変更なし)


* 信者たち [#pe95a4ad]
〈無貌の神〉はメタモルスを生み出した神で、神官たるダークイレブンはみなメタモルスでした。しかし、神話上、〈人〉を堕落させたことからも分かる通り、メタモルス以外でも、信じるものには力を与え、その望みをかなえてくれるのです。以下ではその中でも著名なものを記載します。

: ダークイレブン | 11体のメタモルスで、〈無貌の神〉がメタモルスを生み出した当初から、神の神官として暗躍し、神の復活のために動いていた者たちです。そのうちの1名は表側からメタモルスを統率する役割で、刻印戦争時は『千の仮面』イーシュトレルムと名乗っていました。刻印戦争によって〈無貌の神〉と共に、全員が滅びました。
: 大神官ネフレンカ | エンファータの神話の第10節の頃に存在した〈人〉で、クリフォトの樹を守っていた〈無貌の神〉の大神官。ヴリトラと彼女に協力する者たちによって滅ぼされました。
: シュタウベル | 刻印戦争時にサウス騎士団の中佐だった男です。才気と血脈を前面に押し出す若い部下に窓際に追いやられ、その心の隙を突かれて〈無貌の神〉の邪神官になったと考えられています。捕らえられ、神の力を失って廃人となりました。
: ダークイレブン | 11体のメタモルスで、〈無貌の神〉がメタモルスを生み出した当初から、神の神官として暗躍し、神の復活のために動いていた者たちです。〈無貌の神〉と共に、全員が滅びました。
: 大神官ネフレンカ | エンファータの神話の第10節の頃に存在した〈人〉で、〈無貌の神〉の祭壇を守っていた大神官。ヴリトラと彼女に協力する者たちによって滅ぼされました。

* その他 [#v012c473]
** 旧世界の邪神たち [#d43ab2f6]
上記で記した通り、〈無貌の神〉は、〈竜〉が滅ぼした旧世界の神だと見なされていますが、この神話的事実は、他にも邪悪な神々がいたことを示唆しています。〈無貌の神〉について知った賢者の間では、船の墓場に眠る邪神シーコーンなども、実は〈竜〉に滅ぼされた旧世界の神なのではないか?という意見もあります。
また、〈名もなき狂える神〉も、メタモルスが依然実行した計画(月光騒乱)との関連から、〈無貌の神〉との関わりを指摘する声もあります。

〈無貌の神〉は刻印戦争によって滅びましたが、ガラクヴァ〈竜〉すら滅ぼしきれなかった強大な存在であり、その一部はまだ分けられ遺されているかもしれません。他にも邪神たちが復活の時を狙っている可能性もあり、それらの信者たちとの戦いは、まだまだ続く可能性もあるのです。

** 名もなき狂気の神 [#p8fdf999]

かつて、メタモルスの一派がイスタークで起こした騒動「月光騒乱」で、彼らはルーナという月の力を模した存在を生み出そうとしていました。邪神〈名も無き狂気の神〉は、《ルナティックシード》など、その闇の奇跡の名前からも月との関りが示唆されていましたが、今回の件を踏まえると、〈名も無き狂気の神〉は〈無貌の神〉の一部ではないか?という推測も、一部の賢者から上がっています。


* 関連シナリオ [#kdeb0e66]

[[SandBox/黄道十二宮]]

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