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コラム/てく。/ワールド&ワールド第2話:されど我はパンを喰らう のバックアップ差分(No.2)


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このコラム「ワールド&ワールド」では、PLのリアル世界の事象を織り交ぜつつ、
エンファータなどのファンタジー世界を紐解いていきます。

[[第1話:気候帯からみる作物>コラム/てく。/ワールド&ワールド第1話:気候帯からみる作物]]では、
気候帯ごとに栽培できる作物のお話をしました。

しかし、その結果、レングラート地方のような熱帯では、小麦はとれないわ、
オリーブオイルはないわ、ブドウがないからワインも作れないわと、
大変なことに…!

このままではレングラート地方ではパンが食べられなくなる…!
ということで、「第2話:されど我はパンを喰らう」の始まり始まり。
よろしくお願いしますっ。

* パンが無いならケーキを食べればいいじゃない [#hde69c7b]

(書きかけ)
「パンが無いならケーキを食べればいいじゃない」とは、
どこかのフランス王妃が言ったとされる、世間知らずの代名詞のようなセリフですが、
例えば彼女がこう言ったとしたら、どうでしょう?

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CENTER: [[第1話:気候帯からみる作物>コラム/てく。/ワールド&ワールド第1話:気候帯からみる作物]]  Prev
「パンが無いなら、他のを食べればいいじゃない」

これだと、為政者としてはかなり無神経ではあるものの、
世間知らずとは言われなかったかもしれませんね。

それはさておき、あの王妃のセリフは、
今回のテーマにも通じる重要な示唆があります。
つまり、''小麦がないなら、他のものでパンを作ればいいじゃない。''

** パンになりうるもの [#z3fcdde0]

まずそもそも、パンってなんでしょう?
Wikipediaによると、「小麦・ライ麦などの穀物の粉に水などを加えてこね、それを焼いたもの」とあります。
つまり、小麦じゃなくても、他の穀物でも粉にしてこねて、焼けば、それがパンです。

*** トウモロコシ [#qb33fb2a]

熱帯で栽培される食材で、パンに出来るもののうち、
真っ先に思いつくのは「トウモロコシ」です。

みんなタコスを食べたことはありますか?
あのタコスを包んでるパンはトルティーヤと言って、
トウモロコシの粉で作られてるのです。

メキシコなどの中南米では、トルティーヤはメジャーなパンで、
レングラート地方はトウモロコシの栽培が盛んなので、
レングラートの人がよく食べているパンといえばきっとこれ。

―― これでレングラートでもパンが食えるぞー!

と、言いたいところなのですが、
トルティーヤはいわゆる種なしパン(酵母で発酵させないパン)で、
非常に薄いのです。ピザ生地みたいなものですね。

レングラートでは、ふかふかのパンを食べることは出来ないのでしょうか?

*** お米 [#o78c6f76]

最近、日本では「米粉パン」というのが人気ですね。
あれは使えないでしょうか?
レングラートでは、パクタックたちがお米を栽培していることですし、
食材としては存在してますから。

しかし、調べると、どうも米粉だけではパンが作れず、
小麦も混ぜないといけないらしい。
(お米だけではグルテンがなく発酵しない)

どうも、パンに出来る米粉というのは、現代科学の産物のようです。
白玉粉的なものは作れそうですが、これは無理そうですねっ。
''まずそもそも、人間世界でのお米の流通量も少なそうだしな。''

しかし、まだ、候補はあります――。

*** パンノキ [#e216b4aa]

熱帯の植物には、文字通り「[[パンノキ>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%8E%E3%82%AD]]」というものがあります。
なんでも、蒸すとパンのような食感で、サツマイモのように甘みがあるのだとか。

これはイケるかもしれません。
「(ふかふかの)パンを食べたいなら、パンノキを食べればいいじゃない」と、
ドヤ顔で言えそうです。

しかし、これつは食感がパンに似てるというだけで、
''そもそもパンですら無いけどな''。

だが、なあに、まだまだ、候補はある――。

*** キャッサバ [#fda24c2c]

ブラジルには、キャッサバ粉から作られた、「[[ポン・デ・ケイジョ>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%83%A7]]」というパンがあります。
Wikiを見る限り普通のパンのように見える!
しかもチーズパンとは美味しそう!
表面はパリっと堅く、中は柔らかいらしい。実にいいですね。

レングラート地方でのキャッサバの栽培量はわかりませんが、
キャッサバは栽培が簡単だそうですし、地球でもジャガイモに次いで
生産量が多いイモ類なので、豊富に栽培されていると思ってもいいでしょう。

これでパンは決まりだなっ!


** しかし、小麦パンじゃない! [#d6d4e64f]

トウモロコシ、お米、パンノキ、キャッサバと様々なパンを探して来ましたが、
''小麦系のパンは食べられないのだろうか…。''
という声がどこから聞こえてきそうです。

もちろん、小麦系の植物は、小麦・大麦・ライ麦以外にもいろいろあります。
イネ科植物なら、それなりにどれも候補になりうるかもしれません。
エンバクとかで作るパンもありますしね。

エチオピアで栽培されている「テフ」という植物のように、
雑穀で代用パンを作れるかもしれません。

''しかし、ファンタジーなんですから、ファンタジー的に解決するという方法も、あります。''

* ないなら作ってしまえばいい [#ubb097fa]

> 
エンファータでは、高温多湿で栽培でき、海水で育つ、クオ=ルートの麦と呼ばれる植物があります。クオ麦とも呼ばれるその植物は、小麦とほぼ同じ性質の植物で、熱帯で海文化のレングラート地方では特に栽培されています。

エンファータのワールドマスターTEKは、そういいました。
そう、''気候的に小麦が育てられないなら、熱帯でも育つ、小麦のような別の何かを作ってしまえばいい''。

実にファンタジーらしい素晴らしい解決策です。
海水(塩水)で育つとか、大半の陸上性作物の常識に反してますが、
ナインズ(神様)が作った植物ならしょうがないな!

これで問題は解決。
レングラートの人は、トウモロコシやキャッサバなど様々なパンを食べつつ、
しかもクオ麦のパンを食べ、ついでにエールビールも飲めるという、
実に豊かな食生活を送っているのが明らかになりました。

――問題はワールドマスターじゃないと、なかなかそこまで踏み込めないってことだがな。
しかし、ワールドマスターに提案しちゃえばいいのだ。

ということで、結論。
レングラートでも小麦系食べ物を楽しめます!

というところで、第2話おわり。
読んでくれてありがとうございました。

** あ、ワインは? [#h323a195]

ちなみに、ワインに関しては、レングラートワインというものがあります。
チチャという、紫トウモロコシから作ったお酒で、味は酸味のあるぶどうジュースみたいなもの。
それに、甘味やフレーバーを混ぜたものが、レングラートではワインとして流通しているそうです。

もちろん、お隣の温帯湿潤なアルケナル地方から輸入される、
本物のワインもあるんですけどね。
舶来物で高級品だそうですよっ!

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