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#contents #style(class=rule) -作成者:徹人 #style(end) ダンジョンものや戦闘もの、ウィルダネス(野外冒険)に比べるとシティセッションをGMするのは一般的に難易度が高いとみられがちで、実際その通りです。 処理もNPCや出す情報、敵対者をはじめとしたNPCの動き方などが絡み合って煩雑になりがち。 PCは次の行動のため情報整理したり、推理したりする必要があるため思考に時間が取られることも多く、普通のセッションより時間がかかりやすい。 しかしシティセッションには 「会話ロールを楽しみやすい」 「どんどん事件の真相が明らかになっていく過程が楽しい」 「戦闘能力の低いキャラクターでもハッタリやけれん味をきかせたり、立ち回りを工夫することで活躍できる」 「情報収集が鍵となるためバードやシーフが活躍しやすく、他の技能を持つ人も普段とは違う活躍の仕方ができる。」といった他にない魅力があるため、難しいからといって敬遠するのはもったいない。 そんなわけでシティセッションをするための負担を軽減し、少しでも他の人がやりやすくするためのノウハウをここでまとめてみようと思います。 *前提~常識って大事です [#wa2ad5f1] 当たり前といえば当たり前なのですが、ゲーム内の常識がGMPLともにわかっており、認識が共通化していることがまず必要です。 「こういった情報がどこに行けば手に入るか」「この組織は基本的に何を優先して立ち回るか」ということがお互いにわかっていないと(悪い意味で)予想外の展開になりがちです。 したがってGMは(できればPLも)世界観をよく把握しておくことが望ましいでしょう。特にシーフギルドについてはよく把握しておくべきです。 多少ならそのセッション限りのGMのオリジナル要素と割り切ればいいのですが、世界観の根幹にかかわる部分が外れていると違和感が現れるためやはり基本設定は把握しておくにこしたことはないでしょう。 よく引っかかりやすい部分は「一般的な人間社会では海賊やガルクランはどのようにみられているか」「レングラートの文明レベルではこのアイテムは存在して不自然ではないか」といった部分でしょうか。 極端な例を示します。 前者だと、GMがレングラートでも現代世界と同じように犯罪者にも一定の人権が存在すると間違えて認識してしまっていたら PCが悪人には人権がない!と苛烈な措置を取った時にトラブルになるのは目に見えています。(実際エンファータと違ってグラードではゴブリンにも人権があるため間違えやすい) 後者だと、カメラや血液型の概念が存在する世界としてGMが認識していますと、それを前提にした調査方法を考えて攻略することを望んでおり、対してPC側が思いつかないのでセッションの攻略方法が思いつかない、といった想定ミスがあります。 このようなひどい例はそうそうないと思いますが、細かい部分での認識や常識の齟齬はけっこうありえるため、そのあたりの認識をGMとPLで共有するためにPL発言などで出来る限り認識に対してのフォローをしていくのが望ましいでしょう。 *風呂敷の大きさを決めておく 畳める大きさに! [#s8e08932] 実はシティシナリオはダンジョンとよく似ています。 事件の犯人やPCの捜すアイテムは「ダンジョンの主」や「お宝」 手がかりとなる情報は「通路」「扉」 シーフギルドや事件現場、酒場といった情報を得る施設が「部屋」や「シーン」 邪魔をするNPCや突発的なトラブルは「モンスター」や「トラップ」と置き換えれば驚くほどぴったりとハマるでしょう。 でも大抵の人からはシティよりもダンジョンの方が難易度が低いと思われています。 それは何故か? 様々な要因がありますが、一番大きいのはダンジョンが「舞台の形がはっきりと存在している」事に対してシティは「舞台の形が曖昧」なことだと思います。 要はダンジョンはどんなところを舞台にして、PCはどう動けば攻略できるのかがイメージしやすい。 「この部屋には入り口の他に左右の通路に繋がる扉があって、中央には宝箱があり、正面には守護者となるモンスターがいる。左の扉の手前には落とし穴が仕掛けられている」という描写はとても見た目がわかりやすく、PCがこれを目にしてどう動くのかすぐに予想がつく。 これをシティシナリオに置き換えると 「このシーンでは酒場とシーフギルド、事件現場で情報収集ができ、事件現場では敵の放った間者が待ち伏せている。シーフギルドで情報を得るには200rkの情報料が必要である。」という感じになります。 舞台とする場所が街全体に及ぶ上に、PCへのボーナスやペナルティも「情報」「間者による妨害」などと形が曖昧です。しかも範囲が広大かつ一見してわからない要素ばかりであるため一つの文章でそれらが全て説明されることはありません。 そしてシティシナリオではGMが想定していない手段をPCが取ってくることも少なくない。 上の例で言えばプリーストのPCが「事件の被害者の死体を調べにティガ・タルナ神殿へ行ってみよう」とかそんな提案を出したりして、急遽神殿に行くという選択肢が発生する。 ダンジョンでいえば急に部屋の通路が一つ増えて、その先にある神殿(部屋)とお宝(情報)も現れるというありえないことになります。 ですので、シティシナリオに慣れていないGMはまずPCの行動範囲を封じ込めることを行いましょう。 大抵のシティシナリオは「ルアーブルが舞台」「期限なし(あるいは実質ないと同じような長期間)」というのが多いですが、これだけだとPCの行動を何一つ制限してないので難度が高いのです。 ただし、そこには行けない、情報は用意してない、などとあれこれダメダメいうのもナンセンスなので、自然にPCが想定外のところへ行かないように工夫します。 例えばルアーブルのような大都市ではなく、小さな村を舞台にするとPCが行ける場所が制限されるために取る行動を予想するのが容易になります。 時間の話でいえば、依頼の期間を定めたり(明日までに解決してほしい)、なるべく急いだ方がいい状況にしたり(念のため他の冒険者グループも雇った、長引くと人質などが危険に晒される、など)すると調査する場所も少なく絞ってくれるようになります。 また依頼人などのNPCを同行させて「確か被害者の遺体は既に火葬されてるよ」などと、行く必要のない場所についてはそれとなくその旨を伝えてPCの行動を止めるのもよい手です。