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:シルバル/クリエイターメモ のバックアップ(No.3)


  • このページは、シルバル地方製作者による、シルバルについての思索をまとめた覚書です。隠しページであり、その内容は大きく変更される可能性があります。

歴史

帝国撤退の影響

  • 帝国は、緑なすシリルが砂漠に変わり、そしてそれが大規模な入植の結果引き起こされたものであると知った時に、この地方の放棄を決断した。
  • だが、その判断は正しかったのだろうか?当時の帝国は深淵など数百年前に追い払った、外敵のいない黄金期だったはずだ。本当にその意志があるならば、この地への統治と関与を続けることで、急激な砂漠化をできるだけ緩和するか、この地に水や技術などを提供し続けることが出来たはずだ。
  • しかし、彼らはそれをしなかった。それは、彼らの繁栄の黄金期の裏に忍び寄っていた弱さの証であり、土台が腐り始めていることを示す兆候だ。彼らは、シルバルに支援を続けるコストを嫌ったのだろう。帝国の官僚や貴族たちは、そのコストを中央などで使うほうがより「有用」だと考えたのだろう。彼らの目も内側にしか向かなくなったという証だ。そしてそれは、帝国が他の辺境も放棄していく嚆矢となる。 ―― 帝国は、誤った道を選択した。

  • 帝国はシルバルにおける非公式な関与を続けていたが、成熟した統治機構が失われたというのは、シルバルに住む人々にとっては、頼るもののない状態で砂漠の中に投げ出されたと同じことだ。それは権力の空白であり、新たな権力と秩序を獲得する動きとなる。帝国の撤退はシルバルに動乱の時代を生み出した。そしてそれがシルバルを完全に引き裂き、また、今に至る様々なものを生み出したのだろう。良いものも、悪いものも含めて全てを。

文化・環境

シルバル人の思考

  • 砂漠のような過酷な環境では、人々の意識は研ぎ澄まされる。ほんの僅かな思慮のなさや判断ミスが即座に死につながるかもしれない環境だ。このような土地では、様々な革新と試練、そして保守的な伝統がせめぎ合う。
  • 環境が社会形態と文化を作り、そしてそれらがそこに生きる人々の思考を支配する。レングラート地方は、「土地が少なく・開かれた・豊かな・外敵圧力が強い」環境だ。レングラート人が果てしない外側に突き進もうとするのは環境的必然といえる。それに対してシルバルは「(生存に適した)土地が少なく・閉ざされた・環境ストレスが極めて高い・外敵のいない」環境だ。ほぼ真逆の環境といえる。このような土地では、様々なものがどんどん内側へと進む。
  • 資源を巡って争い合う国々とか、ナインズと違いバラバラになっている5つの宗派、種族的な壁など、社会的に大きな要素でも、その内向きの傾向は強く現れている。

  • セッションにおいて、ソルルト大神官ソラールは、ヴァルナの高位にあるエルフ『占い師』メッシャへの積極的な救済を行わなかった。これは自分が属していない組織に対しては積極的な関与を控えるという、シルバル人の内向きな視点の表れである。
  • そして、この件をソラールに問えば、彼はこう言うだろう「我々が彼女を公に救済するのは、ヴァルナの神殿の面子を損ねることになる」と。たしかにそれは正しい。メッシャがあのような状態になっても他のヴァルナの者達は、彼女を助けられなかったか、あるいは、彼女がそのような状態にあると知らなかったのだから。しかし、そのような消極性は、慢性的な毒のように社会を冒すものともなりうる。

移動手段

  • どうも砂という設定に興味がわかない。砂漠世界に対する冒涜のように見える。砂漠という過酷でありながら特異的な脅威の環境を無視してる感じがする。
  • 仮に高速で移動する必要があるとしても、それは砂のようナンセンスなものである必要はない。もっとシルバルの大地らしいものがあるはずだ。例えば砂虫とか、砂の上を滑る魔法の絨毯だってもいい。

魔法

基本的なコンセプト

  • シルバルには帝国から受け継がれた、ソーサラーシャーマンプリーストという基本的なものはあるが、それは環境によって変わりうる。
  • シルバル人の、内側に向かう文化は、様々な魔法的実験にとっては、豊かな土壌になりうる。ソーサラーシャーマンプリーストの基本セットの呪文は、最大公約数を求めるような運動から結実した。より多くの人にとって、より使いやすく、まさに無数の世界をその中に抱える帝国みたいな考え方だ。しかし、思考の新たなる挑戦は、常に小さな単位から始まる。
  • 科学は交流することで更に先へと突き進むが、それは、科学が最大公約数の産物だからだ。しかもその科学ですら天才たちがいなければその発展は遅くなっていただろう。そして、魔法は哲学とか悟りのような、個人に依存した要素が強くある。
  • 内側に突き進むシルバル人の性向は、様々な魔法を創りだすだろう。環境に根ざした精霊呪文だけでなく、様々な哲学から生み出されるもの、同じ根の中で方向性を変えた枝、あるいは真に魔法と呼ぶにふさわしいもの。他にも、帝国から受け継いだもののエッセンス、などもあるだろう。
  • 未来を見るヴィジョンの能力は、「真に魔法と呼ぶにふさわしいもの」の一例だ。そして、ハーフエルフのムディルが使っていた魔法は、帝国のバトルメイジの技を根とするものだが、あれは、孤立して生き残った帝国のエッセンスだ。

精霊魔術

  • 砂漠が広がるシルバルにおいては、ゼネラリスト的なシャーマン魔術は大きく変わらざるをえない。それは、環境が思考を方向づけ、環境がもたらす試練に耐えるための過程から生まれてくる必然なのだ。
  • 特にリザルドは、砂の精霊術についてのマスターだ。彼らの中でも強力な者は《メイズディザート》や《サンドストーム》のような大いなる技すら使えるだろう。
  • 人間などは、そのリザルドの技を参考に、いわば彼らの技を盗むことで、この砂漠に適応するための砂の精霊術を発展させてきたのだろう。砂の上を容易に動くための《サンドライディング》、火で清める《ファイア・ピュリフィケーション》などはそれにあたる。また、この過酷な環境を和らげるための手法、つまり、火の精霊力をコントロールしてサーマル的な用途に供することも、行われているだろう。

  • それに対して、水系列の精霊魔術は絶滅に瀕するだろう。《カレント》のような高度な技は失われたはずで、《ディクリース・ウォータープレッシャー》や《ウォーター・ブリージング》のような呪文も存在価値をなくし、事実上失われているだろう。
  • しかし、シルバルの人々にとって水への渇望は根源的なものだ。その思いは、新たな水の精霊術を生み出すか、もしくは、根源的なもの、つまり《クリエイト・ウォーター》のようなものへの道を作ることとなろう。

の魔術

  • ソーサラーの技は、数ある魔法の中でも、相当に科学的なものだ。それは、積み重ねられ、研究され、開発されねばならない。帝国の中心部では、それが非常に高度に行われており、そして、帝国からの分離は、その知恵の泉へのアクセスが遮断されたということでもある。
  • 帝国撤退以後、おそらくこの地におけるソーサラーの技は、まさに絶滅の危機に面したであろう。その中で彼らは知と技を残すために、一つにまとまらねばならなかったはずだ。そして彼らは創りだしたのだろう ―― 「ウエル)教団」とでも呼ぶべきものを。
  • 彼らはあちこちにその施設を作ることは、つまり、人的資源を分散させることは出来なかったはずだ。―― 核となるものができれば、その核が周りを吸い寄せて、その身体を作り、育てていく。これは、人間社会の典型的なものである。そして、その育った身体は重要欠かすべからざるものとなり、その体を守ることは至上命題となる。 ―― これも、人々の典型的な心の動きなのだ。
  • こうして出来上がった「ウエル)教団」は、国家など他の組織とは等距離を保とうとするだろう。中立と、厳格なルールに基づいたサービスの提供だけが、彼らの信頼性を高め、そして、それは彼らの生存の可能性と価値を強めることになるのだ。

種族

ハーフエルフ

  • ハーフエルフが人の社会にもエルフの社会にも居場所を持てないのは理由がある。人の社会にとってはその長い寿命は社会への負担であり、そして、エルフの社会にとっては純粋さを損ねるものだからだ。
  • ハーフエルフシルバルでその価値を、つまり居場所を得るには、その寿命と若さを活用するしかない。つまり、長い寿命からくる知恵を提供するか、その若い身体を提供するかだ。しかし、その道はすでにエルフが制している道なのだ。それゆえハーフエルフシルバルを流浪し、居場所を探し続ける状態に留め置かれている。

エルフ

  • エルフはなぜヴァルナ神という信仰を持つに至ったのか、そして人々にその体を与えるようになったのか?
  • ジェルクエルフはそもそも人間と協調して生きていく種族だった。そこがセファイトとは大きく違うところだ。しかし、彼らにとっても、ホームといえる場所は森である。緑なすシリルが砂に覆われ、その緑が絶えた時、彼らは他の方法で自分たちのホームを作らねばならなかった。つまり、心のなかの「森」を。
  • おそらくエルフたちがヴァルナを信じるようになったのはその再生の側面からだろう。彼らはや星々のように遠くにあるものと、自分たちの心のなかの「森」を重ねあわせ、そしてそれが再び現実に蘇ることを願っているのだ。
  • しかし、そのためには、彼らはより積極的に人間と関わらなければならない。だからこそ、彼らはヴァルナの側面の中でも、肉体の癒やしというアプローチをとっているのだろう。彼らの生活のためと一般には思われているし、それは正しいだろうが ―― おそらくは彼らの隠された目的のために、人々をより知るために。

フェンラン

  • 彼らは、砂漠化するこの地を嫌い、その翼の力を持って世界から(シルバルから)飛び去ったと言われている。おそらくは、その伝承はある程度までは正しいのだろう。しかし、荒れ果てた砂漠にも住み着く鳥がいるように、その全員がシルバルから外に逃げたとは考えにくい。
  • 自由な心を持つ彼らは、内向きになり閉塞的になっていくシルバル人間社会に見切りをつけ、彼らもまた隔絶したところに引っ込んだのかもしれない。あるいは、過去の動乱の中で彼らの止まり木を失い、死に絶えたか。

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