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コラム/てく。/ワールド&ワールド第3話:俺は刺身が食いたいんだ! のバックアップ(No.3)


このコラム「ワールド&ワールド」では、PLのリアル世界の事象を織り交ぜつつ、
エンファータなどのファンタジー世界を紐解いていきます。

第1話、第2話では、熱帯性気候のレングラート地方でパンを食べる方法を検証しました。
トウモロコシのパンは美味しいよ!キャッサバのパンもきっと美味しいよ!パンノキは食べてみたいよ!
だが、結論は『ファンタジー的な小麦クオ麦)を世界に導入する』という、
身も蓋もないものだったがな。

「だってファンタジーだし」という言葉の重みを噛み締めつつ、
第3話のテーマは『俺は刺身が食いたいんだ!』です。

さて、始まり始まりー。

そもそも刺身は日本だけのもの?

刺身というと、いかにも日本独自のものというイメージがありますね。
中世ヨーロッパ風ファンタジー世界で「刺身」という言葉が出てきただけで、
世界観がぶち壊しになるほどに強力なインパクトです。

しかし、生魚を刺身にして食べるのは、本当に日本人だけなのか?
ということで、まずは古今東西の様々な魚の食べ方を、調べてみましょう。

Wikipediaの刺身の項の中に「日本国外の刺身に似た料理」というものが、あります。
読んでみると、中国、東南アジア、そして南米など、
色んな所で新鮮なナマの魚が伝統的に食されてますね。

特に、海藻などと一緒に食べるハワイの「ポケ」や、
レモン、玉ねぎ、香辛料、オイル、塩などで味付けする南米の「ゼビチェ」なんか、
マリネ風で実に美味しそうです。

やはり、新鮮な魚が豊富に取れる場所では、
そのまま生食するという文化は珍しいものではないようです。
そして、レングラート地方は「人は海を基盤としている」というくらいの海洋世界ですから、
当然あってもおかしくない!むしろ無いほうがおかしい!

ということで、レングラートの人たちは生の魚を楽しんでます、
ということでFAですねっ!

え、マリネと刺身はまったくの別物ですって?

ソイソースを探して3,000里

では、みんながイメージする刺身に近いものがあるか、
地球の歴史を辿ってみましょう。

そこで問題になるのが「大豆」。

大豆はソイソース(醤油)の重要な原料ですが、
第1話で軽くご紹介したように、大豆はようやく18世紀になってから
ヨーロッパに伝わったという、とても伝来の遅い作物なのです。

近代になるまで、日本と中国の一部でしか栽培されてないんじゃね?
と思いたくなるくらいの、生息域の狭さ。
3,000里(1万2000キロ)も歩いた日には、存在してないのはほぼ確実です。。
これは早速暗雲が立ち込めてきましたね…。

しかーし、世界には醤油のような味のソースがある!
それはなにかというと、「魚醤」。ナムプラーとかニュックマムとかですね。
レングラートでも「ガルム」という、小魚から作った魚醤があり、
基本調味料として活用されているそうです。
キタコレ!

つまり、新鮮な魚を切り身にして魚醤をぶっかければ、
ほら、刺身の出来上がり!

あれ、ガルムって…?

さきほど、レングラートには「ガルム」という、小魚から作った魚醤がある、と言いましたよね。
このガルムというのは、古代ローマで使われていた魚醤「ガルム」と同じらしいのです。

―― ということは、古代ローマにも刺身があったのでしょうか?

日本の刺身と全く同じものではないですが、実はあったのです。
クロマグロとかが好きだったらしいですよ。
詳しく紹介したいところなのですが、参考になるページがないので省略な(ぇ

レングラートで刺身を喰らう

ということで、世界の古今東西を見て回った結果を元に、
熱帯のレングラート刺身を食べてみましょう。

1:まずはを用意します。

2:内蔵を取ったりして身を切ります。

3:ハーブなどの香味野菜を散らします。薬味です!

4:シークワーサーの絞り汁やガルム、岩塩、香辛料、油などで作った調味料をぶっかけます。

5:完成!美味しく頂きます。

…… うん、南米の「ゼビチェ」ですね。

ほらでも、新鮮な魚を加熱せずに切り身にして食べるという刺身の定義からするとオッケーです。
ガルム(魚醤)も使ってるしね!
切り身にガルムだけかけて食べたってもきっと大丈夫さ!

ということで、第3話「俺は刺身が食いたいんだ!」もミッションコンプリート!
次回をお楽しみに!


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