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パンドラム地方 のバックアップ(No.20)


パンドラム地方は、かつてアルケナル帝国時代に「帝国の東の果て」と言われた地方です。
帝国初期、アルケナル帝国のファーストエンペラーと二代皇帝の麾下で活躍したパンドラム将軍とその兵士たちが植民して「パンドラム領」としました。しかし、帝国のパンドラム領もこの辺境の一部しか治めることができず、それ以外の地は様々な理由で帝国も統治を断念しました。そのため、「まつろわぬ地」とも呼ばれています。

パンドラム共和国

概要・歴史

帝国初期、アルケナル帝国のファーストエンペラーと二代皇帝の麾下で活躍したパンドラム将軍とその兵士たちが植民した地です。帝国時代を通して、パンドラム将軍の子孫が領主として治めており、この地方がパンドラムと呼ばれることとなりました。

ですが、帝国歴847年、帝国の32代皇帝オルクレイの命により、代々の領主であったパンドラム侯爵家は改易されます。公式な理由は反逆ですが、帝位継承に伴う陰謀の犠牲になったと言われています。その後、暫くはパンドラムの元老院が統治していましたが、帝国末期に皇帝の庶子に与えられ、「パンドラム王国」となりました。

しかし、かつての領主を敬愛するパンドラムの地の統治は難しく、その息子・孫の失政を機に、元老院は王家の追放を宣言。パンドラムは共和国となりました。

気候

温暖で四季があります。しかし、ティテュス地方と違い、冬は白嶺山脈からの冷たい風が吹き下ろすためか、四季のメリハリはより明確になっています。

文化・風習

この国の文化・風習は、アルケナル帝国のいにしえの特色を残していると言われています。
国としては、「人」の力を重んており、「個」がそれぞれの力量を発揮するのが期待される社会です。政策の一つとして市民に剣闘場・賭博場・浴場・劇場などの「娯楽」が提供されており、賭け事、剣闘、演劇などの関心が高い地です。また、その街は道路・水道が整備され、文明・生活レベルも高い安定した地となっています。

主食は小麦・大麦から作るパンやパスタ、リゾットなどで、アルケナル地方と共通点があります(洋風です)。酒はワインやビール、ウィスキーにブランデーなどの蒸留酒がメインです。

また、四季があることと文化的な成熟から、服飾文化も発展しており、服をしっかり着込む人が多いです。
伝統的な服装はひだのある重厚なローブなのですが、王国時代に帝国本土で流行していたシンプルでスタイリッシュな服装が導入され、動きやすく洗練されていることから、今ではそのような服を好む人も増えています。もっとも、社会的地位の高い老荘の男性などは伝統的な重厚なローブを好む人も多く、多文化・多種族の様々な民族衣装も尊重されています。

共和国の組織と人物

執政官トライアス

執政官は国のリーダーです。任期は5年で、元老院により選ばれます。しかし、深淵との戦いなどに対応するため、統治の安定性が求められることから、よほどの大過が無い限りは再任されるのが常で、歴代の執政官も、10年~20年ほど統治をして、次の後継者にバトンタッチするのが常態化しています。

執政官は実質的に王のような権限がありますが、帝国末期に押し付けられたパンドラム王家がやらかした記憶から、元老院は王政・世襲を否定しており、ゆえに、執政官の息子などが世襲することも否定されています。

現在の執政官であるトライアスは没落気味だった名門貴族の出身で、広い視野をもつ傑物です。
まだ30代の若さながらも高い指導力を発揮しており、様々な思惑が渦巻くパンドラムの地の統治や、深淵との戦い、ファン帝国への対応などを精力的に処理しています。

なお、執政官トライアスは、長らく専守防衛がモットーだったパンドラムの対深淵政策を、積極姿勢に切り替えるべきだと考えており、ファン帝国による深淵侵攻を梃子に、軍制改革や世論の盛り上げなどにも力を入れています。

元老院

パンドラムの立法府で、国を治める人材のプールでもあります。
国のため活躍する、才能・実績あるものを集めている場でもあるので、新しいものの受け入れにも寛大です。

元老院というと老人の集まりのような印象がありますが、若くても国のために功績ある者などは(執政官や市民集会で)推挙されるため、若いものもいます。なお、任期はありません(死ぬまで元老院議員です)ので、若年・壮年・老年と幅広い世代が揃っています。
いわゆる貴族など有力な家は元老院を輩出しやすいですが、世襲でもないので、名家とはいえども才能・運・功績に恵まれなければ元老院議員の座を失うこともよくあります。

星々の聖女と聖刻闘士団

この地では、古くから星々の聖女と呼ばれる巫女が尊崇されてきました。星座の力をその身に宿した聖刻闘士という者たちが、代々の聖女と共に、社会の平和と安定のために活躍してきたと言われています。
帝国のパンドラム領だけでなく、呪われし大諸島にもその影響力は及んでいるといいます。

聖刻闘士はそう数がいるわけではありませんが、星座を模した姿に変身して高い戦闘能力を持つことから、深淵の脅威が去った帝国時代でも大型のモンスター退治や治安維持などで活躍したそうです。特に帝国崩壊後の深淵の大侵攻では、犠牲を払いながらも深淵の敵将を打ち取るなど、深淵侵攻計画のとん挫に多大な功績がありました。

現在も彼らは「星々の聖殿」を拠点に、深淵の撃退などで活躍するなど、パンドラムのためにその力を振るっています。また、最近はティテュスのラジャス技術との交流でさらにその力も強めているようです。

星々の聖殿

壮麗な大神殿城塞で、かつて〈人〉が星々の研究のために立てたといわれる場所です。
この地では星々の研究だけでなく、星々の力を活かすという方面でも研究がすすめられ、ラジャスと源を同じくする「聖刻」の力が生まれました。なお、かつては「星刻」と呼ばれていたようですが、深淵の撃退などの活躍により「聖刻」と呼ばれるようになったと言われています。

星々の聖女

人々の平和のために祈り、星々の力を司るという聖女です。「聖刻」の技に通じており、その付与や癒しなども行えます。「聖女」と呼ばれており、聖刻闘士からだけでなく、人々からも尊崇されています。
現在の「星々の聖女」レオナはまだ10代と若いですが、星々の聖女にふさわしい気品、見識をもち、また、年齢相応なおてんばな面などもあります。とはいえ彼女は並みいる聖刻闘士や、首都の執政官、うるさ型の元老院議員などに負けずにその指導力を発揮しています。

聖刻闘士と聖刻

聖刻闘士の力はラジャスと根を同じくしており、星座を模した『聖刻』をその身に宿し、その星座を模した姿に化けて戦う戦士です。ラジャスの「継承」と同じような方法で次代に引き継がれてきたと言われています。
ティテュスのラジャスなどより安定しているようで、「調整」をせずとも、日々の瞑想や魔法的な香・薬などで安定を保つことができるそうです。

なお、星座を模しているだけあって、彼らはそう数がいるわけではありません。
有望な若者たちが厳しい鍛錬・試練でふるいにかけられ、そうして選ばれたものが聖刻の力を得られるのです。
ただ、そうした若者が、同じ星座の聖刻の一部を分け与えられ、その中で最も才を発揮した者が正式な星座の刻印を得るなどすることもあります。
また、星座とは関係のない聖刻闘士もおり、(架空の)好きな星座を名乗るケースもあります。

なお、聖刻闘士の中でも特に有力な者は、十二星座の守護聖と呼ばれています。十二星座の守護聖は、天の黄道の星座とは限らず、その時点で力のある十二人が選ばれています。

聖刻闘士の階級

聖刻闘士には、ブロンズ、シルバー、ゴールド、ミスリルという階級があります。
ブロンズについては、特に実績などが無くても名乗ることができます。シルバー以降は、基本はラジャスの戦闘を深く極めており、実績のある者が推挙されます。
なお、十二聖は基本的にミスリル階級から選ばれますが、ごくまれに、そのような階級とは異なる理由で十二聖として認められる例もあります。

十二聖の聖刻闘士

『御者座』アウリガ(人間壮年男)
深淵攻撃賛成の元老院派。たたき上げの実力者の一人で、人望が厚い。なお、同じ十二聖に御者座がもう一人いることもあり、星座名であるアウリガを名乗っている。ただ、本名のエリクトスで呼ばれることもある。
『牡牛座』アルデバラン(ドワーフ男)
専守防衛賛成の元老院派。国内の軍人や、武器商への影響力大。
『龍座』ラスタバン(ユニスロス女)
元老院派の超エリートかつ最大戦力、獅子座のライバルで、一本角をもつ竜の一種「麒麟」に変じる。
『天秤座』エクイタス(人間男)
眼を布で覆っている長髪の青年で、その目は多くを見通すという。諸勢力のバランスを保つために、様々な活動をする。星座名であるライブラと呼ばれることもある。
『射手座』キニゴス(ジェルク男)
長い歴史の中で多くの優秀な戦士、狩人を育成してきた。人材を見出す基準は常に己の勘。
『蛇使い座』ヨハネス(人間男)
交渉ごとに長けたバランサー。「蠅座」の次に新しく十二聖になっており、人脈の広さは底知れない。
『小熊座』ポラリス(セジブロ雌株)
いずれかの派閥に影響されることはなく、知をもって国を守ると話すのみ。
『蠅座』ララト・フリーゲス(人間男)
元トライアスの部下。最も新しく十二聖となっており、見た目の醜悪さ以外の欠点は無いと言われるほど。
『双子座』ヘメロス・タダイ(人間男女)
名前の通り双子の男女が二人で1つの十二聖。トライアスの考えに賛同している様子。
『南十字座』サザンクロス(ハーフエルフ男)
星女派。色々拗らせているので十二聖となった時に自ら名乗りを変えた。その結果、本名のクリエーストで呼ばれるとキレる。
『獅子座』レグルス(人間男)
星女派最強の戦士。十二聖の中でも最有力との呼び声高い傑物。
『御者座』カペラ(人間女)
星女派の美少女。今の星女とは幼いころからの親友で、星女候補でもあったという。

パンドラムの地理

首都パンドラム

パンドラム共和国の首都です。国名と同じ名を冠しています。
大規模な外港を擁する壮麗な大理石の都市で、中心市街地には、元老院議会などが開かれる大会堂、闘技場ナインズの大神殿、複数の大浴場などが立ち並んでいます。各地の水源から水道橋で上水が豊富に供給され、下水道も完備されています。城壁はない開けた街で、パンドラムの平和を象徴する街でもあります。

レーン河とカステロ城

深淵の森との境界線で、大河レーンと大峡谷が走っています。
ここにあるカステロ城は、帝国時代からパンドラムの国境の関門として機能していましたが、帝国滅亡と深淵の侵攻時に大拡張し、深淵から国土を守るための要塞としました。今でも、大軍団が駐屯し、大河と峡谷沿いに張り巡らされた防衛線に依って深淵の侵攻に備えています。

豊穣の平野

パンドラム共和国の大穀倉地帯です。内陸にあり、無数の村が開かれている平和な地です。ここでは、大麦・小麦などの穀物や野菜、畜産などが盛んで、この国の食糧庫として機能しています。また、薬草などの高付加産品も生産されているようです。

祈りの森

パンドラム共和国にある巨大な森です。かつてパンドラム将軍に協力したセファイトエルフナインズ司祭が住んだ森と言われ、代々、セファイトエルフの司祭がいることから、祈りの森と呼ばれるようになりました。森の中には1本の整備された街道が走り、森の奥、湖に面したエルフたちの都に至ります。
エルフたちの都といっても、外部にも開かれており、人間などの姿も見られます。

属州

パンドラム共和国の東側に広がる地で、複数の属州に分かれており、それぞれ属州総督が統治しています。
各属州は、長い年をかけてパンドラムが開拓し、入植してきました。とはいえ、深淵の森に接したりもしており、荒々しい自然が広がる地のため、長い年を経ても安定には遠く、モンスター深淵種族などの脅威も残ります。

呪われし大諸島

概要・歴史

パンドラム共和国のさらに東にある諸島です。海流や荒々しい海によって近づくことも難しいのですが、巨大な島を中心とした諸島が形成されています。地震や火山噴火などの災害が絶えず、また、強力なモンスターなども生息していることから、呪われし諸島と呼ばれ、帝国も領有を断念した地です。
しかし、事実上、外界から隔絶している地であるのを利用して、帝国時代には、魔法で一方的に罪人を送り込む流刑地としても活用していたと言われています。

帝国時代のこの地に関する情報は全く残っておりませんが、様々な国が興亡する戦いの地となっていたと言われています。帝国滅亡後も外界とほぼ接点を持たず、わずかな情報によると、長い戦いの末、ようやく、五王国による均衡が成立したそうです。
しかし、近年、6つ目の国が急激に勃興してこの地の覇権を握り、「皇帝」を名乗りました。

ファン帝国

呪われし大諸島の覇権を握った国です。
ファン・レーンという男が興し、皇帝を名乗りました。まだ30そこそこですが、天才的な軍事才能と統率力があると言われています。

ファンが急激に国を興し、覇を打ち立てた理由ですが、勢力均衡したことで戦による恩賞などがなくなった五王国の戦士階級たちの支持を掴んだことと、他の王の下風に立つのは良しとしない五王国の王たちも、「帝」の元での(他の王との)同格ならばと、忠誠を誓ったためと言われています。

アルケナル帝国が失敗した、この世界からの深淵の放逐を、我らが手で成し遂げるのだ」

そう唱えた皇帝は、海を越えて深淵の森に侵攻。深淵の森の一部を開放することに成功し、そこを橋頭保としました。
なお、パンドラム共和国からもすぐ近い場所ですが、老練なパンドラムはお手並み拝見と振舞っています。ただ、帝国がその場所へ侵攻するにあたって、パンドラムがひそかにおぜん立てをしたともみられています。

更新履歴

  • 22/01/10:正式採用しました

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