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イスターク市国 のバックアップ(No.2)


ト=テルタの岬』イスターク市国

『三皇子の海峡』の島にある都市国家がイスタークです。十諸侯国最大の交通の要衝であり、アルケナル地方最大の商業都市として知られています。政治形態は有力商人たちによる合議制です。

交通の要衝で、陸路と海路が交差する場所です。陸路としては、アルケナル帝国時代から続く大跳ね橋により、十諸侯国の東西を繋げる主要な陸路を維持しています。また、ヘテロトギル海と『エンペラーズロスト海』を南北に繋げる主要な海路となっています。

政治面では『ブリッジ・ファミリー』バーガンディー家と『ポート・ファミリー』ゼオンロット家という二つの大商人の派閥の暗闘が激しく、治安面ではアップタウン(橋の上の町)とダウンタウン(橋の下の町)の住民の貧富の差が大きいという問題を抱えています。
特にダウンタウンの治安の悪さは海賊都市並みとさえいわれています。

歴史

アルケナル帝国時代には、ここは、帝国首都と直轄地である『内陣』へと至る入り口の街の一つとされていたそうです。山脈の切れ目、『内陣』から流れる深い大河の出口にあり、大きな跳ね橋で川の東西を結んでいたといわれています。そのため、古くから商業が盛んでした。

帝国崩壊後もイスタークは繁栄を迎えるのですが、中でも早いうちから橋を制して利益を上げていたバーガンディー家が国の顔ともいうべき大商人となります。
崩壊後は島となった東西を結ぶ2つの跳ね橋。それを中心としたビジネスで成功したバーガンディー家は『ブリッジ・ファミリー』と呼ばれ、堅実で自分だけでなく地元にも利益を落とす手法で支持を集めます。バーガンディー家の上げた利益によって町の上層であるアップタウンが繁栄してきたのです。

一方でゼオンロット家は帝国滅亡後にヘテロトギル海から渡ってきた商人で、ジェルクの血を継ぐ(ジェルクハーフエルフ)一族です。元々は海賊であったともいわれます。彼らは大失地海の更に南方にある諸国との中継交易にイスタークを経由するのが最も都合がよいと見抜き、帝国崩壊時に津波に飲み込まれた港の再興と拡大を狙いました。これにより生まれたのがダウンタウンです。

ダウンタウンは日当たりが最悪で当時は捨てられた区域であり、アップタウンを追われた貧民しか住んでいませんでした。ですが港の開発と同時に諸島各地からが集まり、ダウンタウンには海の富が集まっていきます。こうしてゼオンロット家はいつしか『ポート・ファミリー』と呼ばれ、バーガンディー家と並ぶ名家に成長したのです。

特徴

バーガンディー家

アルケナル帝国時代の初期から続く豪商で、一介の馬借から始まり、帝国の初代皇帝の内陸への進撃とともに堅実に販促ルートを拡げることによって力を伸ばしてきた家です。
時代時代によってバーガンディー家を凌ぐ勢いを持つ商人は多数登場していきましたが、彼らに積極的に対抗することはせず、自らの築き上げてきたコネや手法、利益を堅実に守ることで確実に生き延びる方針を取っていきました。
その甲斐あって対抗馬はやがて没落し、現在ではイスタークの顔としてアルケナル地方はおろか遥か遠方の国々にもその名が轟いています。
現在では馬借業よりも保険や銀行といった金融業によって莫大な利益を得ており、またその利益を他の商人や貴族たちに投資することでアルケナル十諸侯国中に多大な影響力を持っています。
芸術家のパトロンとしても著名で、バーガンディー一族の中には邸宅の一部を美術館として解放している者もいます。
その歴史が示す通り「堅実」「王道」を基本方針として掲げており、目の前に利益の種があってもすぐに飛びつくことはせず、長期的な観点から見て慎重に手を出します。
反面伝統に固執しすぎるきらいがあり、博打を打つことを実力もない愚者の行為と蔑む気風があります。
十諸侯国全土にコネを持っており、各地の有力者の相談役になることも多い位置づけです。

現在の当主はヴォルテール・バーガンディー。イスターク市国議会の議長で、知識と経験に裏打ちされた実力でバーガンディー一族、イスターク市国はおろかアルケナルの経済を束ねる男です。

ゼオンロット家

その歴史はほんの100年に満たない新興の商人で、アルケナル帝国崩壊後にヘテロトギル海から渡ってきたジェルクハーフエルフの商人一家です。それ以前には何をしていたのかよくわかっていません。遥か彼方の海から冒険航海の末にたどりついた、元々は海賊だった、など様々にいわれています。
先代にして初代ゼオンロット家当主はアルケナルの更に南方にある地域との交易にイスタークを経由するのが最も都合がいいと見抜き、帝国崩壊後の津波で壊滅し、うち捨てられていたままだったイスタークの港を再建します。
彼の目論見通り、短期間でこの港はかつてのイスターク以上に繁栄していき、バーガンディー家に常々反感を抱いていた勢力や、新しくイスタークにやってきた新興商人たちの支持を取り込むことで今ではバーガンディー家に匹敵するイスタークの顔となっています。
アルケナル一の海運業者として名高いですが、カジノや娼館、劇場などの娯楽業や交易品の直売店の運営でも高い利益を上げています。
バーガンディー家とは違って条件が相応ならば博打を打つことに躊躇いはなく、利益がそれに見合うならば一般的に忌避されるような商売を行うことも厭いません。バーガンディー寄りの商人からは金さえ払えば深淵にすらものを売る連中、と例えられますが、おそらくこれは事実でしょう。表向きには否定していますが。
その分傘下の商人たちへの圧力は比較的緩く、自らのテリトリーとでもいうべきダウンタウンの住民にも好きにやらせています。(無論自分たちに火の粉が飛ばない範囲で、ですが)
卑しい身分の者や外国出身者でも実力さえあれば側近に取り立てるなど出自を問わない経営態度もあり、貧民層や新興商人層から高い人気を誇っています。
現在の当主は自ら新規航路を開拓するために年のほとんどを国の外で活動する兄ランカース・ゼオンロットと、あらゆる手を駆使してイスタークアルケナルでの勢力を狡猾に広げていく策謀家の妹ユーフェミア・ゼオンロットの兄妹です。

名所

アップタウン

帝国時代から続く歴史のある街並みで、イスターク島の小高い崖の上に広がっています。十諸侯国の東西を結ぶ街道が二つの跳ね橋を経由しており、十諸侯国中の富と品が集中しています。古くから街を支配してきたバーガンディー家の影響が強く、新しく建物一つ作るだけでも彼らのご機嫌を伺わなければなりません。
治安はすこぶる良好で景観も美しい、イスタークの表の顔です。

ダウンタウン

アップタウンの崖から数十メートルほど下。海岸沿いに建てられているイスタークの裏の顔ともいえる都市です。海が荒れるときは町が浸水し、そうでなくとも大跳ね橋と崖のせいで日当たりが非常に悪く、跳ね橋が下りている時は昼でも夜とそう変わりありません。

イスタークの港ですが、アップタウンに住めなくなった貧しい人々がいつしか集まり、港の外には大きなスラムが広がっています。堅実で王道を好むバーガンディーと違い、ゼオンロット家は自由志向が強い家風であるためダウンタウンの治安を徹底的によくするようなことはなく基本的に現地住民の好きにやらせています。

そのためダウンタウンは元々闇に生きる人間が多く住んでいることもあってシーフギルドの影響が強く、犯罪が頻繁に起きます。もっとも、凶悪犯罪に関しては裏の秩序がとれているためかそこまで頻繁には起きませんが。また、一説ではダウンタウンのシーフギルドはゼオンロット家が仕切っているといわれていますがあくまで噂です。
ダウンタウンにある大港には諸島各地から集まった富と品物が流通しており、アップタウンの市場とともにイスタークの経済を支えています。

『大跳ね橋』イスターク・ブリッジ(サウスブリッジ&イーストブリッジ)

イスタークの町とほぼ同じだけの幅と、海峡をまたぐ長さを持つ巨大な二本の橋です。帝国時代に建造されたというこの橋は、アルケナル帝国が誇る魔力的技法が使われているとされ、今では再現不可能です。

魔法のおかげで、建造後何百年と経っているにも関わらず機構面での故障や老朽化に耐えていますが、あまりにも巨大なため橋の上下には丸一日かかり、週に一度東西の橋は互いに交代で橋を上げ下げします。この橋の存在のため、ダウンタウンは週の半分が影に包まれており常夜の町となっています。昔は橋の上下日は街の中に缶詰でしたが、現在はダウンタウンの港からで向かい岸に行けるようになりました。

橋の上は町の公共施設という扱いで、誰のものでもないという町の方針から誰もがこの上で店を開く権利を与えられています。ただし公共物であるため固定店舗は建てられません。そのため行商人によるバザーが橋の上下日以外は毎日行われており、店の入れ替わりも非常に多いため活気に満ち溢れています。

『栄華の迷宮』コルチェスター館

イスタークの街から南に離れた場所にある非常に広大な無人の屋敷です。
アルケナル帝国全盛期に建てられたもので、見た目の華やかさだけでなく当時の魔力的技法が贅沢に駆使されています。
主要な部屋や通路には夜になると自動的にライトがかかる照明や、埃が積もると自動的に清掃される床などがあり、現在も人が住んでいるのかと錯覚するほどです。
しかし同時に侵入者を撃退するためのガーディアンやトラップまでも健在といいます。
 
この屋敷の持ち主であったコルチェスター家はアルケナル帝国全盛期にイスタークで栄えた商家で、当時はバーガンディー家すら凌ぐ帝室の御用商人でした。
コルチェスター家は武器商人で、彼らの調達した優れた武具があって精強な帝国軍が維持されてきました。
しかしその栄華の裏には謎が多く「禁じられた術を駆使している」「館の中に悪魔が出入りしている」「ナインズとは違う神を密かに信仰している」などといった噂が周囲で流れていたといわれています。
そして最後の当主がある日突然狂い出し、「奴が襲ってくる」「身を守らなければ」などと言い、財をなげうってひたすら館の増改築を繰り返し、迷宮そのものに変えてしまったのです。
最後の当主の最期は不明です。というのも晩年は迷宮化した館の深奥にひきこもり、それから外に出てくることがなかったからです。
一般的には自分で作った迷宮の中で迷った末に自滅したといわれていますが、明確な死がわからないままのため残された一族の中で激しい後継者争いや相続争いが勃発します。
血で血の洗う争いの結果、コルチェスター一族は没落し、その間に堅実な経営を行って力を蓄えてきたバーガンディー家が新たなイスタークの顔としてとってかわったのです。
 
残されたコルチェスター館は往時に栄華をきわめたコルチェスター家の財産が数多く眠っているといわれ、多くの者が探索を試みましたが、ダンジョン化した屋敷は隠し部屋や隠し通路も多く、現在も未探索箇所が数多くあるといわれています。
コルチェスター家の末路も相まって、この館は悪魔に呪われている、コルチェスター家の人間の亡霊が出る、秘密の部屋があってそこでは異教の神に生贄を捧げるための儀式が行われていた、などと様々な噂がたっています。
もっとも、屋敷の中では怪しげな者同士で表では決してできない密会や取引(シーフギルド関連や深淵相手の取引)に使われたり、街の悪ガキが度胸試しのために館を探索したりしていることもあるためそのカモフラージュのために噂が立っている部分もあります。
 
内部にはガーディアンとなるサーバントやゴーレム、ガーゴイルなどの魔物のほか、古い邸宅ゆえにブラウニーも多く住んでいます。
またアンデッドや異界のデーモンとおぼしき魔物の姿の目撃されています。これらが発生するのは館が現役の時代に行われていた儀式やコルチェスター家が所有していた危険なマジックアイテムのためだといわれています。

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