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メルドラ のバックアップ(No.2)


『臆病者の都』メルドラ ※現時点では公式未採用地域です。
知名度:11(レングラート地方)/8(アルケナル地方

かつてのアルケナル帝国首都「永遠の都」から東方に位置し、帝国中枢地域「内陣」の入り口にあたる地域を治める国家です。
アルケナル帝国時代は内陣の門番として知られる皇帝直轄軍第四騎士団が駐留し、いかなる窮地にあっても怯まず敵に立ち向かい、帝国の平和を維持してきたことから『勇者の都』と呼ばれていました。
 
山脈一つ隔てた先が深淵の森であり、また他の星霜の勢力圏から海を隔てて離れているため今にも陥落しそうな場所に思われますが、第四騎士団の血を引き継ぐ精強な騎士たちと、帝国崩壊前にこの街にかけられた大魔法「太陽の陣」、そして代々のメルドラ公によるよく言えば国防最優先、悪く言えば閉鎖的・排他的・事なかれ主義ともいえる対外政策によって国を維持しています。
深淵と妥協することも辞さない政治姿勢とアルケナル十諸侯国への参加も断り続ける消極的な外交姿勢から現在は往時の勇名は失墜し、
アルケナル十諸侯国の人々から『臆病者の都』と軽蔑されていますが、深淵の森の近縁でほとんど孤立無援のまま数百年国を維持し続けてきたこの国の人々は深淵に立ち向かう事とは別の意味での勇気を秘めているともいえます。

歴史

アルケナル帝国内陣が海中に没した際、メルドラは内陣の一歩外にあったためかろうじて海の藻屑になることは避けられました。
しかし守るべき首都を失った上に深淵の大軍団がメルドラに向けて侵攻を開始したため既にこの国は危機的状況にありました。
ラッタウの第五騎士団がそうしたように、メルドラの第四騎士団も一匹でも多くの深淵を道連れにして華々しく散ろうか、そう考える騎士たちも多くいました。
しかし皇帝直轄軍第四騎士団長も兼ねるメルドラ公は国を自滅させる愚行を犯した帝国に殉ずることをよしとせず、自分たちが一人でも多く生き延びるために戦い続けることを決意しました。
幸いにしてメルドラは内陣水没後は踏破困難なアルケナルの大防壁と海によって深淵の森と隔てられ、きわめて防衛に適した立地になっていました。
そして内陣の門番という役割から、この地には何年も持ちこたえられるだけの兵站と防衛設備が整っており、内陣水没時にメルドラへ逃げてきた難民たちから兵士や技術者を多く抜擢することで戦力も確保しました。
更に緊急時に文字通り帝国の盾になるためにあらかじめこの地に仕掛けられていた「太陽の陣」の魔法によって深淵の力を弱め、今日に至るまで国土を維持してきたのです。
 

対外政策

しかし戦いという面だけでは強大な深淵の侵略を阻み続けることはできなかったでしょう。
メルドラ公は国土の維持と一人でも多くの国民の生存を優先するために他の星霜から見て非道ともいえる手段も取ってきました。
深淵にとりわけ危険視・緊急視されることを防ぐため、そして他国からの人の流入に乗じて深淵が紛れ込まないようにするためにまずはアルケナル十諸侯国からの支援・同盟を表向きには拒みます。
更に鎖国政策を取り、外国人が国内に入り込んだ場合有無を言わさず捕えられ、「関所」に送られるようにします。
一般の国民が外国に渡ろうとするのも、国内の人的資源の枯渇や内部情報の流出を防ぐためにも厳格に取り締まられます。
ただし「貿易港」と呼ばれる出島だけは他国との貿易を公認し、他国の商も入ることができます。
精強な騎士団も、主に自国の防衛のために戦うだけで深淵の森へ攻め込んだり、ポート・ガルハザードから出る深淵を討伐したりすることはほとんどありません。
 
そして最も非難を受けるべき点は深淵アタナトイ氏族との取引です。それは主にアルケナルの大防壁を貫く洞窟内にある「関所」と呼ばれる緩衝地帯で行われます。
メルドラ深淵の侵攻の手を緩める代わりに毎年百人ほどの人間深淵へ貢納しています。彼ら彼女らは罪を犯して「関所」送りにされた者や、
深淵の中でも支配層に供出するために幼少の頃から手塩にかけて教育された貢納専用の高級奴隷たちです。
それ以外にも「貿易港」を通した公認の貿易で他国から得た資源なども取引が行われています。それらは深淵の森では入手困難なものが多いのです。
逆に深淵の森でしか入手できない、星霜の領域では高値がつく珍しい物品もここでは比較的容易に手に入ります。
「関所」の存在は一般国民には秘密にされており、公国は表向きには深淵と取引などしない、と公言していますが、メルドラ国民にとってはこれらは公然の秘密となっています。

内政

メルドラは帝国時代の厳格な階級社会が未だに継続されています。
大まかにいえば貴族騎士階級や聖職者を代表とする第一身分、一定の税を納めている中流~富裕層の一般人である第二身分、それ以外の第三身分です。
基本的にはこれらの階級は帝国時代のものを引き継いでいますが、貴族階級を除くと帝国崩壊時に内陣から避難してきたよそ者の子孫の多くが第三身分に属し、元々メルドラに住んでいた市民の子孫の多くが第二身分に属する傾向にあります。
第三身分には金銭的な税がかなり免除される代わりに、人頭税として十数年おきに一族から15歳未満の子供を徴発されます。
彼ら彼女らは表向きには労働力や騎士団員として、裏向きには深淵への輸出品として国防のための生贄にされるのです。
その中でも容姿が優れていたり、頭脳が明晰だったりする者は大切に教育され、高級奴隷として深淵の支配層へと供出されます。
また、武力や魔術に秀でた子供は騎士団の手で騎士として育て上げられ将来的に国防に貢献する役割を担います。(表向きにはこちらが徴発の理由となっています)
人頭税が支払えない場合は一族全体が重い罰を課せられるため、第三身分の家庭は子沢山な者が多いです。
一方で第二身分以上の者も、優秀な子供を国に供出することで階級を上げたり税を免除することができるため第三身分の子供や他国から密輸された子供を買い取って育てる者が少なくないようです。
国家ぐるみでこの有様であるため、当然この国では人身売買が合法であり、他国の人買いが奴隷を売買しにくることも多いです。
特にアルケナル十諸侯国の商業都市イスターク市国からは海を牛耳るゼオンロット家がメルドラとの交易を密かに進めているためそれに乗じてやってくる闇商人も多いとか。

経済

裏向きとはいえ深淵との取引で国を維持しているため他国からの非難が多いメルドラですが、
それ故に間接的とはいえ星霜深淵の交流・通商が可能であるため星霜では容易に手に入るが深淵では希少なもの、あるいはその逆のものを比較的容易に入手することができます。
基本的に鎖国政策をとっているメルドラですが、星霜側の他国とは「貿易港」と呼ばれる出島から、深淵側からはアルケナルの大防壁内にある洞窟「関所」から各勢力との通商が行われております。
貿易港での関税は他国のそれと比べても高額であり、メルドラの主要な財源となっています。
しかし関税逃れや禁制品の取引などのため密輸がさかんに行われているといわれています。
ただし密輸は重罪であり、罪を問われれば奴隷に落とされ深淵への輸出品にされてしまうでしょう。
貿易港は主にイスターク市国ツバル地方の国々と取引を行っているものの、メルドラは他国民にとっては悪い印象を持たれる国であるためメルドラへの貿易を公言する商人はほとんどいません。
とはいえ他では見られない交易品から多くの利益を上げることができるため決して少なくない商人がメルドラの貿易港へ訪れているともいわれています。
またアルケナルの大防壁の一連の遺跡から発掘される魔晶石などの品も重要な輸出品目として欠かせません。

深淵との関係

海と山脈に隔てられた天然の要害という立地条件、第四騎士団直系の精強な軍勢、
他の星霜勢力とは独立した閉鎖的な政治姿勢、中間貿易や貢納を通じた利益などが功を奏して深淵の上層部からは早急に滅亡させるべき存在とはみなされていません。
むしろ貢納を通して良質な奴隷を入手できるアタナトイや交易で莫大な利益を得てきたレイヴンにとっては都合のいい取引相手であるため彼らの傘下にある勢力はメルドラに手を出すことは少ないでしょう。
また厳格な社会体制や鎖国政策によって密偵を得意とするメタモルスにとっても攻略がとても面倒であるため特に重要な作戦などがなければあまり手を出しません。
深淵の各勢力を調停する立場のペトラもまたこれらの氏族に配慮してメルドラは積極的に干渉する案件ではありません。
例外的にドラグメルドラに対して好戦的です。彼らは山脈を飛び越える翼を持ち、配下種族のオーガボガードなども峻険な山脈を越えられる肉体を持つため国境地帯では騎士団との諍いが絶えません。
ドラグ氏族にとっては第四騎士団とは帝国時代を通して因縁のある好敵手であり、また味方を裏切るような取引を行うメルドラの行為が気に食わなく感じる者が多いためです。
それでも他の氏族に配慮して大軍団を組織して一網打尽に、とまですることは今のところまずないでしょう。

太陽の陣

太陽の陣は<人>時代の技術で、帝国末期になってネアム古代図書館から発掘された石版から解析された技術です。
特殊な魔法陣を用いて、その陣の影響下にある場所は深淵の能力を制限してしまうというものです。
ルアーブル大迷宮など<人>の遺跡が持つ深淵避けの力の基礎となる技術で、アルケナル崩壊前夜には内陣を大陸から切り離す大儀式を行うか、超巨大な太陽の陣を内陣に張ることで深淵を寄せ付けなくするかという一大論争が帝国議会で巻き起こりました。
結局深淵への防御効果の高さなどから前者の儀式が多くの支持を集め、実行に移されてしまいますがその結果は言わずもがな。
第四騎士団団長はこの陣を用いる案を強く支持していたため帝国の崩壊時に国家を見限ったと言われます。
そしてその第四騎士団長は太陽の陣の効果を実験するために帝国中から魔術師を集め、要塞都市メルドラにこれを設置したのです。
そのためルアーブル大迷宮ほどではありませんが、メルドラには深淵避けの力が発揮されているのです。(通常のガルクランなら都市内ではあらゆる判定に-1がつくくらい)
太陽の陣に関する技術はメルドラに残っているといわれますが、秘蔵中の秘蔵であり、現在の他国との関係を考えれば陽の目を再び浴びることはまずないでしょう。

アルケナルの大防壁

アルケナルの大防壁というのは山脈の名前ですが、同時にそこに存在する遺跡化した長城も意味します。
元々はアルケナル帝国が建国される以前に山脈添いに存在した複数の小国家がそれぞれ独自に築いたもので、大陸中央から侵略する深淵勢力を防ぐために築かれた長城でした。
しかしアルケナル帝国建国後の星霜の快進撃のために長らく見向きもされていませんでした。
ですが近年の探索によってこの防壁の土台には<人>時代の遺跡が利用されていることがわかってきました。
魔力を秘めた品が発見されることも少なくなく、メルドラの研究者は注目しています。
しかしメルドラでは優秀な人間騎士などに優先的に抜擢されるためあまり腕の立つ冒険者がいません。
そのためそこそこの腕の冒険者が手を出せる浅い部分の探索は進んではいるのですが、強力な守護者が存在する深部の探索がはかどっていないのが現状です。
しかし現在のメルドラ公はこれらの重要な遺跡が深淵勢力の手で荒らされることを危惧しており、例外的な措置を出して他国から腕のいい冒険者を招致し、監視つきの上で探索させるということも行っています。
国の規模に対して遺跡が広範囲にわたって散在しているため未探索の遺跡が多く、実入りは期待できます。
そのため深淵勢力や他国からの密航者がこの地に渡って一攫千金目当てで探索するケースも後を立たないとか。

セッションソース

 
メルドラ深淵の森と非常に距離が近いため、ガルクランとの接触の可能性は高く、また他国人が国内に入ることは許されないため低ランクセッションの舞台にはしにくいでしょう。
深淵だけでなく、精強なメルドラの兵士たちも敵となりえるのです。
その分高ランクセッションがしやすく、依頼の内容によっては非常にシビアな舞台となりえます。、

人探し(Aランク)
奴隷商人に連れ去られた子供たちがメルドラに輸送されるという情報が入った。なんとかメルドラ国内に入る前に追いついて商人から子供たちを取り戻してくれ
脱出の手伝い(SAランク)
メルドラ国民の中には自国を脱出したいと考える者は少なくない。メルドラ騎士団の監視の目から逃れ、逃亡者たちを脱出させてほしい
貴重品の密輸(SAランク)
さる大商人が深淵にしか存在しない品を欲している。これを入手するにはメルドラから輸入するのが唯一の方法だが、輸出制限が設けられていて通常の手段では大量に確保できない。危険だが密輸に従事してほしい。
メルドラ公の依頼(SS、Sランク)
メルドラ公との誼の深いイスターク市国のゼオンロット家からの依頼を通して君たちはメルドラ国内に通される。 メルドラ公「踏破困難な遺跡が山脈で発見された、深淵どもに先んじて遺跡の遺産を確保してほしい」

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